海洋空間バンコク随感録




 第18回 タイのファッション事情   2005.5.12


タイ人は産まれた時から骨格が小さいので、
たとえ3歳児でも2歳児くらいに見えます。
もちろん私は日本人で日本人の赤ん坊を見慣れているので、
それが規準の大きさになっています。
タイ人赤ん坊と欧米人赤ん坊のサイズの違いにはいつも驚かされます。
タイ人は大人になってもやっぱり骨格が小さい(細い)。
もちろん売っている洋服もタイ人サイズになります。

タイのファッションブランドはいくつかありますが、
私の選択肢にはほとんど入りません。
その理由は、サイズが小さすぎて私が着るとツンツルテンになってしまうから。
あ、まったく着れないわけじゃありませんよ(自分で自分をフォロー…悲しすぃ)。
同じくバンコクに住んでいる友人からも
「タイブランドはサイズが合わない」という話を聞きます。
タイブランドの洋服を着こなせる日本人は、
小柄でかなり細目の人だけだと気付きました。

ここでタイのブランドの有名どころを紹介します。

「JASPAL」

メンズ・ウィメンズとも人気店です。
バーゲン時は身動きとれません。

「CHAPS」

入ったことないけど、お客はいつも入ってます。

「SODA」

ウィメンズのみ。
かなり個性的。

「FLY NOW」

ロンドンに支店があります。
国際派?

「TANGO」

バーゲン時期になると
日本から来たカップルが大量に買って帰る姿も見かけられます。
東京のデパートにも入ってるそうです。

さて私はどこで洋服を買っているか? というと。

@一時帰国した時

日本で買物しないでタイには戻れないという気持ちになりますが、
季節を選んで帰国しなくては…。


Aタイにある欧米系ブランド(日系ブランドはほとんどありません)

「GUESS」「ESPRIT」「MNG」「ARMANI EXCHANGE」etc…、
やたらと店舗数が多いので人と「カブル」可能性が高い。
実際に同じアパートの人がまったく同じ服を着ていたことがありました(泣)。
日本で着るならいいけど、タイではあまり着れません。
だから滅多に買いません。


B市場・露店・ショッピングセンター(ノーブランド)

そこそこいい物もあるので一番利用します。
値切る事もできます。
それとコピー天国です。
買い物中に店員に寄って来られると逃げたくなる私にとっては、
Bは店員のやる気のなさが心地良い。
何時であろうと店員がご飯食べてたりする…、客が来ても食べ続ける。
「ここほつれているよ」というとその場で直してくれる。
それを売る店員も店員だけどそれを買う客も客です。
ただでさえアバウトな性格がますますアバウトになってしまいました。
たまに『安物買いの銭失い』をしますが、その値段がカワイイので諦めがつきます。

ところでバンコクに住む人たちのファッションは様々です。
ハイソな中年タイ人ならタイシルクで仕立てたワンピースやスーツ、
ハイソな若者はスニーカーやオシャレな革靴を好みます。
ごくごく一般的なタイ人はGパンにTシャツにサンダルが多い
(タイの男子学生の制服は膝より少し上の「短パン」なので、
短パン=子供というイメージがあり、大人は短パンをはきません)。
インド人はサリー、欧米人は麻シャツやノースリーブに短パンか麻パン、
アフリカ系の人は華やかな民族衣装、
マレー系の人は頭にベールのようなのをかぶっています。
さすがに浴衣を着て歩いている日本人は見かけませんが…。

そうそう、それで日本に帰ると思うんですが、みんなオシャレですね。
帰国すると自分だけ異次元からやってきた異星人に思えます。
それは嘘ですが、私の生活環境がそうさせるのかもしれません。
普段は以前紹介したシーローに乗るので、スカートをはくことも少ないし、
道路がガタガタだから高いヒールの靴も履きません。
白い服を洗濯し続けると黄色っぽくなるし、
日差しが強いといって帽子をかぶっても汗で蒸れて、
帽子をとったらペッタンコなヘアスタイルになってしまう。
フィットする洋服は汗染みが気になる…。
いろいろな悪条件をクリアできるのが、麻や麻風のコットンの服や、
Gパンにサンダルとタイ仕様の日傘であります。

タイの日傘
ちょっとダサい!? タイの日傘

これじゃまるでタイ人と欧米人に日本人の顔をくっつけた感じになってしまうけど、
一番着心地がいいんです。
そんなわけで、多国籍人たちがいるのであまり流行に左右されることなく、
みんな思い思いの服を着ています。
日本人の友人も日本の流行を追えない分、
自分の好きな服を着ています。
好きな服は偏りがちですが、自分らしいファッションスタイルをしています。

たとえ外国ファッションブランドが入ってきても庶民には高すぎる、
客層がかなり限られてる、採算が合わない、
だから舶来ものが少ないと思ったりします。
例えばバンコクにユニクロが入ってきたら、
日本ブランドだし、価格も安いし、タイ人庶民に絶対ウケると思います。
でもそれは困る。
なぜかって、今は私が一時帰国してユニクロの洋服を買ってバンコクで着ても、
「カブル」可能性は皆無に等しいけど、
バンコクにユニクロができちゃったら
「カブル」可能性が高すぎて着づらくなってしまうからです。

そんなことを考えているうちに、
日本にいた頃はあっちこっちで買い物を楽しんで、ドライブして、
映画観て、絶叫マシンに乗って、楽しいことがいっぱいあって、
物に溢れて豊かだったんだな〜、
と指をくわえて遠く離れた日本の方角を見つめている私であります。






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