海洋空間バンコク随感録




 第6回 タイ正月=ソンクラン   2004.5.1


タイには3回正月があります。
1回目は1月1日、2回目は2月の中国正月、そして3回目が4月13日のタイ正月。
タイ正月のことをソンクランといいます。
ソンクランの4月13日〜15日の3日間はほとんどの会社が休みになり、
バンコクで働いている人達が実家に帰省するため街中は交通量が少なく静かです。
この3日間に「水掛け祭り」という一年で一番盛り上がる祭りが各地で行われます。
水を掛け合う理由は、4月が一年で最も暑い時期なので
少しでも涼しくなりましょうという何とも気楽なもの。
水を掛け合うのは昼間〜夕方の暑い時間帯です。
祭りの歴史は長く、そして無礼講。
タイ北部のチェンマイが本場ですが、
バンコク市内ではカオサン通りで有名なカオサンというところが盛り上がります。
今回はその祭りの時のカオサンの様子を紹介します。

私にとって初めての今年のソンクラン!
どんな祭りか興味津々、気合も充分!
もちろん目的地はバンコク一盛り上がるカオサン。
とその前にスタミナ補給のため中華街までタクシーで行き、まずは腹ごしらえ。
中華街からカオサンは近いし、小回りが効くからトゥクトゥクで出発。
道路では、すでに水の掛け合いが始まっていた。
ピックアップ車は荷台に大きな水入りタンクと大勢の人を乗せ(定員は無制限?)、
オートバイやトゥクトゥクに乗ってる人達にバケツや水鉄砲で水を掛けている。
信号待ちでピックアップ車が隣同士になったら意地になって水の掛け合い。

信号待ちでの水の掛け合い
信号待ちでの水の掛け合い

他人事のように「やってるやってる」と思った瞬間、
プチュ〜ン!ザッバーン!
水鉄砲とバケツで一斉攻撃だ!
それもやけに冷たい!
これって氷水(泣)。
運チャンも水を掛けられたくないのかバスの横に隠れるのに必死。
カオサンまであと少しというところで辺りは大渋滞。
とりあえずトゥクトゥクから降りて避難しよう。
ところが歩道は容赦なかった。
水攻撃に遭っている私を尻目に旦那は水鉄砲と水を購入中。
オイオイ…その大きな背中で守ってくれるんじゃないのかい?
私の思い過ごし?
開き直ってさらに進むとカオサンのメイン通りは人人人!

カオサン通りの賑わい
カオサン通りはものすごい人手

この時点で全身水びたし、化粧もハゲハゲ。
水だけじゃなく、白い粉を水で溶かしたパーンディンソーポーン
(普段はニキビケアに使う)を人の顔に塗りたくる攻撃もあり、
水よりもこっちが強敵。
それも男性より女性の方がターゲットになりやすいようだ。
でも周りのみんなも全身ビッショリ真っ白けっけ、だから私も気にならな〜い。
「ありがたい祭りだね〜」とか言ってたら、氷水がザッバーン。
うぅ〜さぶい…お願いだから氷水はヤメテー!
さらに歩いていくとあちこちから大音量の音楽が聞こえてきた。
そこら中でダンシングフィーバー(古!)。
そこにひときわ目立つ大きな人の輪を発見。
中心には白人のおっちゃんが上半身裸でダンシング!
かなりハイテンション&イケイケ。
やっぱり祭りはパーッといきましょ。

輪の中心にいた白人男性
白人男性が上半身裸でダンシング


そろそろ疲れてきたし帰ろうかということになり、
とてもタクシーに乗れる状態じゃなかったから、トゥクトゥクで帰った。
この暑さと熱風で洋服も自然乾燥、
車も少ないから排気ガスも気にならないし心地いい。
途中信号待ちで何度か水鉄砲攻撃に遭ったけど無事アパートに到着。
少し躊躇しながらアパートに入ったら
警備員もフロントのお姉さんも笑顔(←に私は見えた)で
「サワディーピーマイカー(新年おめでとう)」と迎えてくれた。
おかげで初めてのソンクランは最後まで楽しく過ごせました。
驚いたのが、カオサンのマクドナルド店内のお客さんは
全身ビショビショで粉で真っ白の人ばかりなのに、
店員たちが文句言わずにせっせとハンバーガーを売っていたこと。
諦めもあるとはいえ、君たちはご立派!

小さな子供も参加してます
小さな子供も参加してます


水掛け祭りは、水中メガネと水着を着用で
服装はTシャツ&短パン&サンダルがいいと思います。
スニーカーの人は見かけません。
ノースリーブの服は寒いし、白い服も透けるので避けた方がいいです。
貴重品はビニールに入れ、バッグは持たないのがベスト。
それと帰りにエアコンの効いたタクシーに乗るとかなり寒い。
風邪引きます。
水を掛けられて怒る人も参加しないでください。

いくらソンクランがメデタイ日とはいえ、
みんなが水掛け祭りを好きというわけではなく、
知り合いのタイ人女性は「私は水掛けられたくないから出かけなかった」と言っていた。
そぉか、水を掛けられたくないタイ国外脱出組がこの時期に多かったのも納得。
果たして来年のソンクランはどこで過ごしているだろう…。






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