海洋空間佳本


宵山万華鏡 宵山万華鏡」★★★★☆
森見登美彦
集英社

2009.7.31 記
個々の物語が1つ2つのフックでもってちょっとずつ引っ掛かってゆく、という森見登美彦氏得意の連作パターン。
パラレルワールドが絡んでいるのも、いかにもな感じ。
ただこの作品は、結末としてすべての伏線が収斂しまとまる、という形をとってはおらず、いわゆる幻想小説としての色を貫いたまま幕を閉じているので、辻褄合わせを期待して読むとちょっと肩透かしを喰らうかもしれない。
他の森見作品(あるいは万城目作品)同様、京都で学生生活を送った私のように共感性の高い読者にとっては充分楽しめるものだが、そうでない人たちからの評価が分かれるのは仕方がないことと思う。
だから星4つはちょっと甘め。

今年の宵山を逃してしまったことがやや悔やまれる。





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