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2004年8月16日(月)     2004.10.16 公開
7:30起床、地階にあるカフェテラスに朝食をとりに下りる。 
そしたら入り口でビックリ、 
いかつい黒人男が真っ白なウェディングドレスを身にまとい、 
手にはブーケをかわいらしく持って我々訪れた客人を迎えているではないか。 
誰もが思わず苦笑のアトラクションだが、何の意味があったのか未だに分からない。 
  
ウェディング・ドレスをまとった 
謎の黒人男に驚かされた | 
 
 
 
もうこの朝にホテルを出、今日は国内線に乗ってマレーシアの首都、 
クアラルンプールに向かわなければいけないので、この広大なリゾート・ホテル、 
シャングリ・ラ・タンジュン・アルーを満喫というわけにはいかなかった。 
集合時刻のちょっと前にチェックアウト、一旦クロークに荷物を預け、 
ホテル内のショップを少し見て回る。 
  
あまり時間はなかったが少しだけ 
タンジュン・アルー・リゾート内を散策 | 
 
 
そして定刻の9:30、タンジュン・アルーを出発、 
コタキナバル国際空港に向かう。 
この頃には我々と行動を共にするツアラーたちも大分減っており、 
この時はボクたちの他に50代と思しき夫妻1組、そして60代らしき夫妻1組の、 
計6名になっていた。 
随行するガイドも初見の人に代わっていた。 
 
無事空港に到着してチェックイン、ガイドさんも役目を終えて帰っていった。 
早めに着いたので空港内をひとしきり歩いて時間を潰すが、 
なにぶん小さな空港なのですぐに探索は終わった。 
売店でドリアン・アイスを買い求めて食す。 
  
空港カウンターをバックにドリアン・アイスを食べる | 
 
 
 
このあたりでようやく東南アジアらしさ?が感じられるのだが、 
空港内の表示板に出ている内容が実にいい加減なのだ。 
情報の更新はひたすら遅いし、たとえばある便の乗降ゲートが変更になっても、 
英語とマレー語の場内アナウンスがあるのみで、 
電光板にその変更内容が表示されることもなければ、 
それを示す立て札が用意されることもない。 
要注意だ。 
 
11:20発のMH87便はボクたちを乗せて無事に飛び立ち、 
クアラルンプールへ向かう。 
西へ向かっておよそ3時間、これまでいたボルネオ島から 
いよいよ本土というべきマレー半島へと降り立つわけである。 
飛行機は通路を挟んで左右それぞれ座席は2列、小さくてボロい。 
が、機内食のチキンカレーはまたも辛くなくおいしかった。 
 
14時過ぎ、クアラルンプール国際空港に到着。 
とても大きくて美しい空港だ。 
  
とても近代的なクアラルンプール国際空港 | 
 
 
荷物の出てくるターンテーブルがズラズラと数多く並んでおり、 
空港はデカいが例によって表示はちゃらんぽらんなので 
バッゲージ・クレイムに少しまごついたが、 
他の4名のお客さんたちとともに無事ガイドと合流、 
ヴァンに乗り込んでホテルへ向かう。 
 
クアラルンプールの街は都会で大きく、車の渋滞がとても激しい。 
ちなみに走っている車は 
コタキナバルに比べれば当然ヴァリエーション豊かになっているが、 
マレーシア国産のPROTON(元々は三菱自動車との合弁だったらしい) 
というメーカーの自動車が変わらず多い。 
エンブレムはマレーシア国旗のマークと同じデザイン、ここにも愛国精神が。 
   
一番多く走っている国産車 PROTON エンブレムはマレーシア国旗の図柄 | 
 
 
そして街を走っている車はとてもきれいに保たれているものが多い。 
よく“日本人は車をピカピカに洗うのが好きだ”と 
いささかの揶揄を込めて語られたりするが、マレーシアの車もそれと同等に、 
あるいはそれ以上にピッカピカだった。 
日本でいうところのコイン洗車場や、 
カーウォッシュ・サーヴィスの店もちょくちょくある。 
他にはガソリンスタンドも多く目につく。 
そのほとんどはセルフ給油スタイルであるみたいだ。 
 
そしてコタキナバル同様街の中で目立ったのが、数々の大きな建築現場。 
すでに大都市と言っても何ら差し支えのないクアラルンプールだが、 
まだまださらなる近代都市化への膨張は止まないようだ。 
途中、名高いペトロナス・ツインタワーも否応なしに目に飛び込んでくる。 
  
まさに壮観 ペトロナス・ツインタワーの威容 | 
 
 
スゴイな!これは! 
高さ452メートル、東京タワーよりも100メートル以上高い、双子のタワーだ。 
片方は日本のハザマ、もう片方は韓国のサムソンが建設したらしい。 
ちなみに現在東南アジアで最も高い建物とのこと。 
当たり前だな。 
とにかく高いだけでなくその意匠もアジアらしくかなり凝っているようで、 
理屈抜きで興奮するド迫力。 
 
相変わらず漢字が書かれた看板も多いが、 
それ以上に「KFC」、ケンタッキー・フライド・チキンのロゴが描かれた赤い看板も相当多い。 
マレーシアは豚を食べぬイスラム教徒と、 
牛を食べぬヒンズー教徒が大部分を占める国なので、 
どの宗教のタブーにも触れぬ鶏肉は使い勝手が良いのだろう。 
 
16時、ヴァンはここクアラルンプールでボクたちが泊まる、 
ムティアラ・ホテルに到着。 
  
ムティアラ・ホテルのエントランス | 
 
 
リゾートのような敷地の広さはもちろんないが、 
種々の造作がとてもゴージャスなホテルだ。 
チェックインを巡って軽いトラブルが発生。 
我々の泊まるべき部屋の前客(中東系の人たちらしい)が 
定められた時刻を大幅に過ぎてチェックアウトをしたため、 
部屋の準備が遅れており、まだチェックインできない状態だという。 
まったくこれだから…! 
結局20分ほどだろうか、待たされた挙句に部屋に入ることができた。 
その間にもはやおなじみの感もあるが、またも激しいスコールが降る。 
 
  
扉を開ければバスルームまで吹き抜け 
少し変わった造りのムティアラのツイン・ルーム | 
 
 
部屋でまたもおなじみ、ウェルカム・フルーツのマンゴーや、 
ロンゴン(龍眼)というライチの皮が黄色い版みたいなのを平らげつつ 
少しだけ休憩、その後ホテル内および周辺を彷徨する。 
ここムティアラには世界各所で目にする代表的な免税店、 
DFS Galleriaが併設されており、そこを少し見たり、 
また地階でホテルと連結されている寂れたショッピング・モールに行ってみたり。 
 
その足で、17:30、ホテルのロビーに集合。 
この日の晩は“ホタル見学”が予定されている。 
ホタルといえば初夏の限られた期間に、 
美しい清流でのみ目にできる貴重な昆虫、 
というイメージが日本においてはあると思うが、 
マレーシアには年中いつでも見られるホタルの種がいるという。 
それに必ずしも清流でなくとも、 
タンニンの色素で染まったような土くれだった川にも生息可能なのだそうだ。 
 
ホタル見学ツアーは、一緒の便でクアラルンプールにやってきた我々6人の他、 
他のホテルに泊まっている日本人ツアラーたちもバスに同乗し、 
合わせて参加者は12名。 
バスは2時間ほど走り、 
周辺の景色はみるみるうちに素朴なカントリー調に変わっていく。 
 
クアラセランゴールという町で一同下車。 
相当な田舎町と言ってよかろう。 
ガイドさんの解説によると、ここは海も程近い漁業に生きる町だそうで、 
その住民はほぼ中国系とのこと。 
確かに一本しかない繁華街、メインストリートの雰囲気もまさに中華街といった風で、 
立ち並んだ原色のケバケバしい看板に書いてある文字もひたすら漢字。 
まずはこの町で夕飯をとるのだ。 
場所は川べりに建つオープンエアーな中華レストラン「港口海鮮」。 
  
夕食をとった「港口海鮮」の外観 | 
 
 
この旅行ですでに3度目となる、円卓を囲んでのチャイニーズ・ディッシュだ。 
しかし今回の円卓はかなり美味かった。 
焼飯、白身魚の甘酢、種類不明のカニの丸茹で、エビを煮た料理、 
野菜炒め、シーフードの炒めもの、タコのカレー風味揚げなど。 
  
ここ「港口海鮮」の中華料理はとてもおいしかった | 
 
 
味も良し、そしてリヴァーサイドで、 
徐々に沈みゆく夕陽が生み出す、日本では見られない夕焼けも抜群に美しい、 
大満足の夕食タイムであった。 
  
川べりのレストランから美しいサンセットが望める | 
 
 
 
食後再びバスに乗り、10分か15分ほど走って、 
ホタル見物の目的地、セランゴール川の船着場へ到着。 
“Firefly”と書かれた看板とともに、 
あんまりかわいくもないホタルのイラストが迎えてくれる。 
  
ホタル見学の船が出る乗り場のゲート | 
 
 
まさに真っ暗闇、懐中電灯の小さな灯りだけを頼りにボートに乗り込む。 
舟が川へと滑り出したらすべての灯りを消してしまうので、 
辺り一帯は誇張なしで月明かり以外一寸の光もない、 
自然の夜へと姿を変える。 
一種のナイト・リヴァー・クルーズだ。 
ボートは前日の“リヴァー・クルーズ”と同じような形状だが、 
より静粛に移動することができるよう、原動機はエンジンではなく電動モーター。 
確かに虫の鳴き声や 
遠くでサルの類が吠えている声以外聞こえない夜の帳の中、 
ガガガガガガとけたたましいエンジン音を響かせて 
舟を進めるほど無粋な所業もない。 
 
進み出してすぐ、ホタルは見ることができた。 
まるでクリスマスツリーのように鈴なりに留まっているではないか。 
ゆったりしたテンポで点滅を繰り返しながら、またあるものは高速で飛行しながら、 
たくさんのホタルの姿が見られた。 
  
かすかに見える発光するマレーシアのホタル | 
 
 
皆自然と息を潜めつつのホタル見学は、およそ15分ほど続いた。 
 
帰途も当たり前だが往路と同じく2時間かかった。 
ムティアラ・ホテルに着いたのは23時前ぐらい。 
街は平日のこの時間でもかなりのにぎわい、活況を呈しており、 
いろいろな店もかなり遅い時間まで開いているようだ。 
それを見て若干夜の街に遊びに出て行きたい気もしたが、 
自分の体力とペースのみに妻を付き合わせるのも何だしやめとくか。 
 
ところでオリンピックはどうなっているのかなとテレビを点けたら、 
中継をやっていることはやっているんだが、 
なぜかマレーシアの局は連日バドミントンを放送してばかりなのだ。 
もう本当に冗談じゃないかと思うぐらいバドミントンばっかり。 
あとでガイドさんに聞いた話だと、やはりマレーシア国内では今、 
バドミントンが大流行りなのだそう。 
国際的な有力選手も多いらしい。 
それにしても…。 
 
 
 
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