   
 
 
 
  第1回 映画『デッドマン・ウォーキング』の脇役ママのセリフ   2003.5.31 
 
 
 
初めまして。さゆりと申します。 
離婚して、1年が経とうとしている母子家庭でござい。 
今時、このようなケースは腐るほどありますが…。 
しかぁし、離婚する前も、後もテーマは同じ。 
 
「子離れしろよ、いいかげんによ〜!」 
 
出来るのかしらん…。 
 
娘が2人。 
高一(ユリ)と中三(アヤ)の年子なんだけど、 
娘達の親離れのスピードとオイラの子離れのスピードが噛み合わない。 
ズレまくる。世間の母親のみなさん、どうかアドバイスなんてしないでね。 
拒否しまくります。 
もう、日常的にアドバイスしまくられてパンクします、オイラ(T_T) 
 
そんな4月の或る日。 
 
仕事もキツクて(サイトの管理者やってます。どんな?ヒ・ミ・ツ) 
鬱鬱が続いているそんな日々。 
いつものように6時ころ、娘らがどんな様子か、 
あるいは晩御飯の指令などを飛ばすために家に電話。 
 
誰も出ない…。 
 
6時半ごろ電話。 
誰も出ない…。 
 
7時ころ電話。 
以下同文。 
 
7時半ころ電話。 
以下同文。 
 
ユリの携帯に電話。 
以下同文。 
 
「じ、事件かぁあ?!!」事件でなければ、電話に出るだろう! 
 
従弟が近くに住んでいるんだけど、この従弟が性格同様ゴツイ顔なんで 
電話して家の様子を見に行って貰った。 
何かがあれば(例えば賊がまだ室内に残っているとか)100%対処できる! 
そうしながら猛ダッシュで帰宅(その間、家に電話をし続ける。出ない…)したんだけど。。。 
 
「死体で発見されたら、どうしよう。 
 こんなことなら、朝声をかける時に『鍵なくすなよ!』なんて言わず 
 『ママはキミ等を愛してるよ』と言ったのに…」 
という後悔とドラマチックなセリフがずっとずっと頭の中をグルグル(;;) 
玄関まで行くと、従弟が立ってて「ピンポン鳴らしたけど誰も出てこんぞ」とか言うから、 
急いで鍵を開けて入ってみたらばぁあ・・・・(=`ェ´=) 
 
コタツの中に潜って爆睡しているガキが2匹。 
「なんなんだ、この光景はぁ?!」 
ホッとしたら、腹立たしさと怒りが込み上げてきて、 
てめぇらが電話に出ないせいでよ、契約書作らんで帰ってきてしまったじゃね〜かよ〜! 
と掴みかかりたかったけど、従弟がいるからこらえる。 
 
こらえ続ける。 
 
従弟は心配のあまり、タクシーで 
「ちょっとさ運ちゃん、早く走ってくれや!」と運ちゃんに思い切り凄んで駆けつけて。 
ピンポン鳴らしても出ないからヤキモキして。 
んで、結果がこれで。 
もっと事情を聞くと、友達のとこに遊びに行っていたらしく、 
今、まさぁに!女の子の電話番号をゲットォ!\(^o^)/ 
という瞬間にオイラから電話。 
興奮していたためか、オイラの声はデカカッタラシイ。 
しかも、半泣き。 
「今の電話、なに?」 
「ん?いや、従姉だ。何でもない」 
「…女の人の声だったよね」 
「いや、大丈夫だ」 
そして、またオイラからの電話。 
もれ聞こえる、取り乱したオイラの声。 
「…。行ってあげなよ」 
 
男としての野生と、 
人としての肉親愛とが複雑にブレンドされた心境のまま立ち去ってきた(らしい)のに、 
結果がこれ。 
「俺さ、スンゴイむかついてんだよね。…火で炙ってやるーっっ!」 
「起きろ!」と怒鳴っても起きないユリの足の裏を火で炙ったら 
「アチッ!誰だよ!!」と野太い声で凄みながら飛び起きたユリさん。 
従弟とオイラをみてポッカ−ン(・_・) 
 
「なんでノブチャン(従弟ね)いるの?」 
「ふざけんなよ!お前らが電話に出ないから、母ちゃんから電話かかってきたんだよ! 
 ホントふざけんなよ!警察呼んでくれとか言いやがるンだゾ!!」と低い声で凄むんだが…。 
ガキ2人とも「ハァ?」て感じで全然堪えていない… 。 
「何で出ないんだ?電話」凄む従弟。 
「だって、寝てたから、出られる状況じゃなかったもん」 
「そか。それじゃ出れないな」 
 
オイラがその従弟の納得の仕方に「ハァ?」だわさ。 
安心したら、涙が出てきて泣いて。 
「はぁ(-_-)堪らんな。泣かれると。おいっ、お前ら母ちゃん泣いてッゾ!心配かけんな。 
お前も(オイラね)心配しすぎだっつーの!」 
「もう、やだぁ!こんな思いすんの」とオイラ。 
「俺もヤダワ。お前に振り回されるの」とボソッと従弟。 
 
夜の9時半も過ぎていたけど、寝ててご飯食べてないというクソガキのためにご飯を作る。 
その間も涙ぐむ。 
従弟はガキどもに甘いので、 
ダウンタウンのマッちゃんの目をつぶらな瞳にした感じのツラァしてんのに仲良くお話始めて…。 
マッちゃんみたいなボケをかまして和やかにお話始めて…。 
ママ、台所で孤独。 
 
ご飯を並べて食べてても、なんかの拍子に「電話出ないからさぁ…」と一人涙ぐむ。 
「はぁ。思い出しちゃってんよ(-_-)」とアヤ。 
「お前、ふざけんなよ。今時、中学生、高校生が12時過ぎて帰ってこないならともかくよー。 
 8時とかくらいでガタガタいってんじゃね〜よ!」 
「だって、世の中変態が多すぎるんだもん。こないだも事件があったし」 
「てか、外に出てないから!」とアヤ。 
「家の中に入ってくるかもしんないじゃん」 
「ドア開けないし」 
 
口論ヒートアップ(-_-メ)  
 
「だから、電話に出たらママは安心するって何年も前からいってんじゃん! 
いつも怒る理由は何年も前からそれじゃん!!」 
さらに、噴火状態。 
「だいたい、目ぇ覚めるとノブチャン立ってるし、 
 ママ泣いてるし、わぁけわかんないっ!」ユリ怒髪天。 
「バカ。俺もコイツからわけわからん電話貰ったんだぞ。 
 しかも、女の子といる時に。これから、ああああぁって時によ(-_-メ) 
 まぁ、な?(何が、な?なんだ)寝てたから電話出れないんだよな…ヒャヒャヒャ」 
と笑い崩れる従弟。 
「飲も、ノブチャン」 
「あんたに言われなくても飲むに決まってるよ(かなり悔しげ)。 
お前な、もう40のババァだからな?」 
「40て誰?アタシ40なんて、なってないもん。んで、ババァって誰の事?」 
 
シマッタ(+_+)ってな感じで顔をそらして 
「えっとぉ、なんだ。うちのお袋だ。うん。うちのババァのことなのよね」 
「叔母ちゃん、40か。えら〜い若い時にあなたをお産みになられたのね」 
と言ったらウヒャヒャヒャヒャと笑い崩れて 
「助けろお前ら!お前らの母ちゃん怖いんだよ」と大声で言った後、ウヒャヒャヒャと笑う。 
気付いたけど、見かけがゴツイ怖い顔してるけど自分の痛いとこ突かれたときや、 
何かをごまかす時(腹立たしさとか、ヤバイとか)、 
取り合えず笑っとけってな感じで笑うんだ。この従弟は。  
こないだの自分自身の大爆笑は。 
「ノブチャン、どうして頭、坊主にしてんの?」と素朴に聞くアヤ。 
「えっとぉ、それはね…んっとぉ」 
「ハゲ目立たなくするため?」 
ウヒャヒャヒャヒャと笑い崩れた後に 
「俺さぁ、自分で言うのはいいんだけど、人から言われるとムカツクんだよね」 
とちょっと凄んだすぐ後にヒャヒャヒャと笑い崩れる。 
思わず本音を語ってしまって、情けなくなったらしい。 
 
「お前、すぐ50、60とかなるんだからよ。なんとかしろや、それ。 
 オッ(ポンと手を打つように)良い事思いついた(^o^)丿 
 お前ババァになって、一人で囲炉裏の前でしみじ〜みする時な、 
 囲炉裏で魚でも焼くといいわ。俺、囲炉裏くらい作ってやんぞ」 
ヒャヒャヒャと笑いながらやっとこさ言う。 
ちなみに、彼はもう20年以上のキャリアを誇る、 
内装や溶接、土方、鉄骨などのガテン系エキスパートである。 
そんな関係で、ヤーサン、ヤンキー、警察少年課、 
とお知り合いや顔見知りは暴力から正義まで幅広い。 
右翼には弟子入りしていた時期があったらしい。 
恥ずかしがって、あまり喋らないけど。 
 
話戻って、囲炉裏の話はえらくガキドモのツボにはまったらしく、大爆笑しながら 
「それいい!ユリ高校出たら一人暮らしするから、アヤと2人で囲炉裏を囲んでてよ(^o^)丿」 
「えー!アヤも一人暮らしするし。ママ一人で囲炉裏で魚焼いててよ(^o^)丿」 
「よかったねママ。ノブチャンに囲炉裏作ってもらえそうで」とユリ。 
「ママ、そんなの欲しくないし。ランプ欲しかったのに、 
 買っちゃダメとかあんたら言うから買えなかったし」 
「そんなの、買うんじゃないよ。服買った方がいいじゃん」 
「服も、ママ買えなくてあんたらのもんばっか買ったじゃん。 
 しかも、疲れたから何か飲みたいとかゆっても 
 『ダメ!もうすぐノブチャンくるんだから、そしたらご飯なんだから。 
 その前に飲むとお腹一杯なるでしょ!!(~_~メ)』とかゆって、座らせてもくれなくって。 
 ママすんごい疲れたんだから」 
別の話題でヒートアップ。 
 
振り返って書いてると、(-_-メ)幾つだよ、アタシ。 
 
独身の我が従弟殿「ウッセーゾお前ら!! オンナ怖いな。やっぱり、俺は結婚しなくていいわ」 
「えーっ、いい勉強になるじゃん」アヤ。 
「そそ、反面教師」とユリ。  
「ウチラみたいのばかりが女じゃないから、選ぶ時、タメになるじゃん(^o^)」アヤ。 
 
…なんで、反省というか、こたえるというか、年上を敬うというか。 
つまり人としての品性に欠けてるんでしょ、我が娘達は。 
ひとしきり、ぐずぐず涙ぐんだのが落ち着いたころ、 
「おう、高校はどうだ。友達できたか?」 
「うん」 
「友達、かわいいか?」 
「うん。金髪を黒く染めたら、メッチャかわいいの、マナミ」 
「かわいいのか、マジか!おぅ、お前の友達、今度紹介してくれや」 
「いいけど、ウチの友達みんなオヤジ趣味ないよ」 
「ッだと、このやろー」 
「んで、紹介してもらって、何するの?」とアタシ。  
「ん?いやね、ちょっとお話してみたい、か、なぁって」 
言った途端にヒャヒャヒャと笑う。 
「お話合うの?」とアタシ。 
「んんん。いや、俺素人だめだからな」 
「ガキの前で素人言うな!!」 
ハッとしたあと、ウヒャヒャヒャと笑ってごまかして、ガキドモはポッカ-ン(・_・) 
何がそんなにおかしいいの?てか、アンタガオカシイ? 
 
そんな心の声をシビアに顔に出して無言で従弟を見つめつづける2人。 
なんとなく、部屋の温度が1、2度下がったような…。 
「頭髪検査なんか、まだするのかよ」と話題を変えて、 
自分のヤンチャな頃の髪の染め方、戻し方、 
髪の毛のケア(やっぱ、トリートメントはしなきゃマズイだろう、とか)のやり方 
(ヤンキ−が家に帰ってトリートメントする絵って、なかなか微笑ましい(^^))を講釈しまくり出す。 
2人、真剣に聞きながら、どこぞのメーカーのあれはスゴイ、マジに効く、 
だの枝毛の始末の仕方など、妙な感じに盛り上がる。 
話の所々にちょっとした盛り上がりの山がくると 
「不良サイコ−!!」「ッイエ−ッ!!」「ヒャッホ−ッ!!」と片腕を天井に向けるのがお約束。 
 
オイッ!夜中だ!  
 
将来、何になりたいんだ? 
俺は中学の時から、今の仕事をするつもりだったから、全然迷わないで高校で遊べたぞ 
(わかるけど、お前が言うとなにか意味が違ってくる)、 
お前らもやりたいことを探せな。なんでもいいからよ。 
んで、苛められたら俺に言えな。 
街宣車でマイクでがんがんやってやるからな。 
女だったら、ぶっ飛ばせないけど、ヤローならキッチリ埋めてやんぞ。 
な。 
 
てなことを、言い出す。これもお約束。 
これにアタシが加わると 
「教育委員会が何ほどだってんだ。すぐにママに言え。 
 先生なんか、シベリアに飛ばしてやる」てなことを言っちゃうんだな(-_-;) 
真剣にゲンナリして、あ〜はいはい。はいはい。と右から左なんてもんじゃなく、 
顔面まで届くかな?という所でカスリもしないであっち方向へ通り過ぎている模様。 
 
「お前ら、まだ寝ないのか。明日何時よ?」 
「あっ、6時に起きなきゃ」 
「大丈夫なのか?」すでに12時過ぎている。 
 
そこで、3人の女全員の顔が従弟を見つめ。 
ある意味を込めた眼差しで従弟を見つめ… 
 
「なによ?」 
「ノブチャン、泊まって行って!!」 
「なんだよ、それ」 
「だって、誰も起きれないもん」とアヤ。 
「うちも、全然起きれない」とユリ。 
「母ちゃん、起きれよ(-_-メ)」 
「ママなんて、もっと起きれないよ」アヤ。 
「なんだそれ。この家の女はどうなってんだ(-_-;)」 
「いや、これが普通(^^)」アヤ 
「そそ、世界基準(^o^)丿」ユリ 
「ノブチャン、朝早いから起こしてよ(^o^)丿」アヤ 
「ふざけんな!!!俺は目覚ましじゃねぇんだ!コノヤロー」 
「いいからいいから。ユリは6時半ね」 
「アヤは6時だよ」 
「おい…サユリ」 
「あ、アタシは7時かな」 
「ふざけんなーッッッ!!」 
 
とかいいつつ、コタツで寝て、翌朝「おいっ!朝だ起きろ!」と起こしてくれ。 
…親戚というのは、ほんとにありがたい(^o^)丿 
やっぱ、あいつが結婚しないのは、ウチラのせいかなぁ。 
アハハハハハッ。 
 
 
 
 
 
  
 
  |