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さて、私は旅行をしたことが無い。 
信じられねぇ、と思うでしょうが。ホント。 
今までにした旅行と名のつくものは、修学旅行。 
あ、あと中学でスケートやっていたから大会の遠征位か? 
 
結婚はできちゃった結婚だったし、 
できたとわかった途端に、元ダンナは沖縄出張半年間(>_<) 
ダンナ不在の間、これから2人で住む場所や婚姻届などの手配を全てして、 
出張から戻ったダンナと新居を決めたのは11月。 
それから荷物の整理など、しているうちに新年に。 
その頃の私のお腹は、8ヶ月のポンポコリンでした。 
結婚式、新婚旅行なんぞする余裕なく、 
新年のお休みにダンナと横浜中華街へちょっくら電車で遊びに。 
若い2人は引越しなどでお金がないので変な中華そば屋でラーメンすすり。。。 
 
「ねぇ、これがひょっとして、新婚旅行?」 
と新妻の私は聞いた。 
 
「もちろん(^o^)」 
 
…泣いた。 
おい、てめぇ、その不甲斐なさを嘆くとかせんのかよ! 
と、今のアタシなら怒鳴るけど、 
ま、若かったので変に納得したのです(怒れ。その頃のアタシ)。 
 
ま、いいや。こんな思い出。 
 
で〜。 
それからはダンナの実家へ行くことが、主な遠出なんで 
(自分の実家には、金銭的事情で帰れない)、 
どっかのホテルにお泊りってのが、まず憧れだったのでした。 
どこへ、というより、まずホテルに泊まりたい! 
それは、ラブホテルではいけないって、当たり前か。 
 
友人を誘って友人の娘さんと3人で 
近所のホテルに花火大会に合わせて泊まる事にしたのだけど、 
残念なことに花火大会はこの長雨で中止ということに(>_<) 
それでも久しぶりに会う友人と、 
いつもなら子供がいるのでゆっくりとはお喋りできないから 
心ゆくまでだべるぞ〜と2人でハシャグ。 
友人の娘は5歳の可愛い盛りで、一瞬もジッとしやしない。 
いつもなら夜ドタドタ歩くな!と怒られるけど、 
今日はベッドでポンポンしてもいいよ。 
お部屋で大声だしてもいいよ。走り回っても良いんだよ。 
というと「キャーッ!!」奇声をあげて、 
お部屋でボール投げ(リュックに詰めて持ってきてやんの)、 
その次はサッカー。宝探し。 
それぞれが大した理由なくハイテンションでハシャグ。 
 
初めてわかった。 
恋人達が旅行に行きたがる理由(遅すぎ)。 
 
ほんっと、日常から離れて一緒にいると、目の前にいる人は特別になるよなぁ。 
私は、目の前の友人が前から特別な存在だったけど、 
より一層特別な存在に感じた。 
ま、彼女はその気が無い人だし、子連れだしで 
マチガイやアヤマチは絶対に起こらないけど、 
その気(どんな気??)がある人だったら、どうしましょう?? 
相方に連れて行って貰ったゲイバーでのことだが 
(この場合のゲイとは、ホモ、レズ両方をさす)、 
男にも(つまりホモ)女にも(つまりレズ) 
 
「アンタ、レズかバイでしょう!」 
 
決め付けられちったf(^ ^;) 
子供産んだから、レズってことはないんだけど…。 
「そう見える?」 
「うん。なんとなく、わかる」 
 
わかられても…。 
では、その気のある女性とお泊りした場合、 
きっと何かが起こるのだろうか…。 
一緒に泊まるということをOKした時点で、 
何かが起こるのはお約束なんだろうか…。 
女性でも、好きな人だったら、いいかな? 
おっと、くだらないことを考えてしまった。 
 
部屋で夕方6時ごろから酒盛りをし、 
10時頃に皆(子供は除く)酔いつぶれ、 
明け方に起きて二日酔いでポツポツとまたお喋りを始めた。 
 
行方不明の知人の話。 
離婚した友人の話。 
姉妹の事、親の事、旦那さんのこと。 
世間の変態のニュース。 
子供が殺されるニュース。 
 
幼子が傍らで寝息をたてる、薄明るくなってくる部屋で 
「生きていくって、夜歩く旅人みたいよね。 
 見えないから手探りで、不安で。 
 その時は確かなものと思っていたのに、確かなことってないのよね・・・」 
「そうだね・・・」 
 
だから、少し休もう。 
 
進まずにはおれないなら、 
ちょっとだけ休もう。 
 
明日のことを恐怖しつつ。 
 
明後日の夜明けの光を夢想して。 
 
希望を灯に。 
 
また歩くのだから。 
 
 
 
 
 
  
 
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