海洋空間エクアドル&ペルー旅行記



第2日
2007年8月2日(木) 「ガラパゴス諸島到着 ロンサム・ジョージ」
     2007.10.15 公開


5時起床、6時前に先にチェックアウトしてから、まだ準備中のレストランを急かして朝食
予定の6:20を数分過ぎ、Iガイドとともにホテルを出発して空港へ。
今朝はいよいよガラパゴス諸島に向けて出発するのだ。

昨日は夜も遅かったので街並みはよく分からなかったが、この移動中に少し眺めてみると、
まずサッカーグラウンドやバスケットボールのゴールが多く目につく。
走っている車は、トヨタやニッサン、ホンダなどの日本車ももちろんあるが、
それ以上にシヴォレーや韓国のキアが多いようだった。

キト ホテル周辺の街並み
山岳都市 キトの街並み

マリスカル国際空港に到着したが、これまた夜と朝では感じが全然違う。
今日はここから国内線グアヤキル経由タメ航空 EQ191に乗って
ガラパゴス諸島のうちの1島、バルトラ島バルトラ空港へ。
Iガイドとも一旦お別れ。

飛行機は30分近く遅れて、8時前に離陸。
途中、経由地のグアヤキルでは30分ほど停まったか。
ここで乗り降りする人も多かった。
ちなみに南米大陸の西方約900kmに位置するガラパゴスエクアドル本土
1時間の時差がある。
機内食でまたも腹はパンパンだ。

機上から遠くに見える一際高い山はコト・パクシ
雲の上に頭を突き出しているのはコト・パクシという名前の山

現地時刻11時頃、ついにガラパゴスバルトラ島に降りた。
さすがに陽射しはきつい。
南国に見られがちな素朴な空港には無論土産物店などもあって、
それらを見るにつけ早くもテンションが上がる。

バルトラ空港に到着
ガラパゴスの玄関、バルトラ空港に到着 いきなりウチワサボテンが出迎え

バルトラ空港の待合ロビー
オープンエアーで開放的なバルトラ空港の待合ロビー

ターンテーブルなどない前時代的な手法で機内預けのバゲージを受け取り、
現地ガイドイザベラ女史とも無事に出会って、空港を後にする。
ここバルトラ島はほぼ空港しかないような小さな島で、
ここからほど近い諸島のメイン島であるサンタクルス島
今からバス小さな船を乗り継いで移動するのだ。
日本人の姿はもうまったく見ない。
ほとんどが北南米およびヨーロッパからのツーリストであるようだ。

小さな客船でサンタクルス島へ移動する
屋根の上に荷物を満載した小さな渡し船で町のあるサンタクルス島へ移動する

人と荷物山積のバスフェリーサンタクルス島へ渡り、そこからは客は私たち2人だけ、
イザベラガイドとともにピックアップトラック型のタクシーに乗り込んで移動。
バルトラ島からの船着き場はサンタクルス島北端に位置しているのだが、
我々の泊まるホテルを含む諸島最大の町であるプエルトアヨラは反対の南端にあるのだ。
今からそのプエルトアヨラの町へと向かうわけだが、ホテルに直行するのではなく、
道中にちょっとした観光が組み込まれている。
ちょうど島の中程あたり、小高い丘状地で“ハイランドハイク”という散策に案内された。
そして海辺の好天が嘘のように、このあたりの空模様はどんよりと雲が垂れ込めており、
霧雨もシトシト降っている。

ハイランドハイク、まずは島の火山活動によって造成された溶岩ドームを見学し、
その後さらに少し歩いて登り、ゾウガメの育成地となっている草原へ。

溶岩ドーム
火山活動によって造成された溶岩ドーム

チャールズ・ダーウィン研究所で孵化、
ある程度まで育てられた個体がこの一帯に放されているようだ、どうやら。
いきなりいるわいるわ、こりゃすごい!
成長しきったアダルトがそこら中に。

聞きしに勝る巨大ぶりのガラパゴスゾウガメ
300kg近い、成長しきったオスのガラパゴスゾウガメ

イザベラガイドによるとこやつらはすべてオス
そして大きな個体は300kg近いものもいるらしい。
我々が不用意に近付くと、シューッとものすごく大きな音を立てて息を吐き、
首をニューッと甲羅の中に激しく引っ込める。

驚くとものすごい呼吸音を立てながら首を引っ込める
人の姿に怯えるとものすごい呼吸音を発しながら首を甲羅の中に引っ込める

サイズこそ違えど、我が家で飼っているヘルマンリクガメの仕草を彷彿とさせ、
とても面白い。
足もしっぽも信じがたいほど太く、またウンチも巨大極まりない。
まさしくゾウの糞みたいだ。

恐ろしく大きな糞
恐ろしいほどに巨大なゾウガメの糞

草を食むガラパゴスゾウガメ
草を食むガラパゴスゾウガメ


ゾウガメの国に迷い込んだ人のようだ
巨大ゾウガメの国に人間が迷い込んだかのよう

霧雨の降る中、興奮して草原をあちこち歩き回っていたら、
パンツの裾がビショ濡れになってしまった。
少し肌寒くもなってきた。
イザベラガイドはさすがガラパゴスナチュラリストガイド、ためになる解説をしてくれる。

ゾウガメ見学を終えて車に再び乗り込み、一本道をひたすら走ってプエルトアヨラの町へ。
船着き場に近いサンタクルス島北部は緑が少なく、
まるで荒野のような風景だったが、南に行くにつれ植物も増えてきた。
宿泊するホテル、「レッド・マングローヴ・アドヴェンチャー・イン」に送り届けてもらい、
イザベラガイドと一旦別れ。

レッド・マングローヴ・イン入り口
レッド・マングローヴ・インの入り口

本棟1Fはレストラン
本棟の1Fはレストランになっており、上階や周りに客室がある

このレッド・マングローヴ・インは、
インドネシアのフローレス島で泊まった「プリ・バグース・コモド」を彷彿とさせる!
1室ごとに分かれたセミコテージタイプの部屋はシンプルで、
窓にはガラスがはまっていなくて網戸だけのものもあったり!
でもシャワーからお湯はちゃんと出たけど!

泊まった部屋の入り口
我々が泊まった「LILA」という部屋の入り口

小じんまりとした室内
室内は決して広くはないがそれなりに快適

シンプルなシャワールーム
シンプルなシャワールーム ちゃんとお湯は出た

部屋に荷物を置いて、歩いて2分のところにある
シルヴァー・シュタイン・ホテル」に行ってランチ
道に面したオープンテラスのレストラン。
スパゲッティグリルフィッシュを頼んだが、
一品の量が多すぎてとても2人では喰い切れず。

昼飯後ホテルに戻り、15時に再びイザベラガイドおよび他のゲストと合流して
今度はチャールズ・ダーウィン研究所見学へ。
ちなみに我々の泊まるレッド・マングローヴ・インダーウィン研究所の敷地にほど近く、
歩いてすぐ行ける。

実際に行ってみるまでは、何となくこじんまりとした規模なのかなあ、
ダーウィン研究所って、なんて思っていたが、
全然そんなことはなく広大な敷地を有した施設であった。
敷地に足を踏み入れてから入り口に達するまで10分ほど歩いたが、
その道々でも飛んでいるフィンチや生えているサボテンなどについて
イザベラガイドから詳しい説明が入る。

ダーウィン研究所の敷地内にいたフィンチの1種
ダーウィン研究所の敷地内にいたフィンチの1種 丸々と太っている!

ダーウィン研究所
これがチャールズ・ダーウィン研究所

我々と道を共にしたゲストは、英語圏ではない国の白人3人ファミリー。
いざ研究所に入り、教材ヴィデオや掲示パネルなどを見た後、ゾウガメゾーンへ。
人工孵化から育てているゾウガメの仔たちが生まれた年ごとに区切られて管理されていた。

仔ガメの集団
生まれた年ごとにまとめて管理されているゾウガメの仔たち

甲羅に番号を振られ管理されている
仔ガメの甲羅には番号が振られ識別されている

また、ドーム型鞍型など、
各島ごとに異なる様々なタイプの甲羅を持つガラパゴスゾウガメたちの生体も見られ、
非常に分かりやすかった。
エスパニョラ島のやつなんかとてもユニークだったな。

エスパニョラ島の個体 前から
高いところにある餌を食べるために首を高く持ち上げられるよう、
甲羅の前部が上に大きく開いているエスパニョラ島の固有種


エスパニョラ島の個体 後ろから
後ろから見たところ

念願、待望のロンサム・ジョージを見ることも叶い、遠くから拝んだだけ、
顔すらも満足に見られなかったが、それでも対面したという事実に感動した。

左がロンサム・ジョージ 右は繁殖相手のメス
左側の大きな個体がロンサム・ジョージ 右側は繁殖相手のメス

後方から見たところ
後方から望んだところ

屋内の、それほど広大でもないケージにでも飼われているのかな、
なんてこれまた勝手に想像していたんだが、
予想に反して屋外の広い飼育スペースに放されていた。

説明し忘れていたが、私がガラパゴスに行って最も楽しみにしていたのは、
このロンサム・ジョージに会うこと。
ロンサム・ジョージとは何かというと、直訳すると“ひとりぼっちのジョージ”。
ガラパゴス諸島には10数個の島があるが、実はガラパゴスゾウガメと一口に言っても
その生息する島ごとに微妙に種類が異なっており、つまり島の数だけ亜種がいる
その亜種の中には、
人間による乱獲や家畜の持ち込みによってすでに絶滅してしまったものもあるが、
ピンタ島という島に棲む亜種の最後の1頭
生き残りがジョージと名付けられたオスなのである。
1971年にピンタ島で捕獲されて以来
ここサンタクルス島ダーウィン研究所で保護されており、その子孫を残すべく、
遺伝子的に近い亜種のメスが数頭繁殖相手としてあてがわれているのだが、
未だに繁殖には成功していない。
ジョージの年齢はすでに100歳前後と推定されており、
このまま子孫を残すことなく絶えてしまうのではないか…、と危惧されている1頭なのだ。

飼われていたリクイグアナ
ダーウィン研究所内で飼育されていたリクイグアナ

ガラパゴスゾウガメの他にもリクイグアナなんかがいた。
研究所出口近くのショップでロンサム・ジョージのTシャツを買ってしまったが、
これは義弟への土産にしよう。

ダーウィン研究所見学後、イザベラガイドや他のゲストと別れ、
明日予定されているスクーバダイヴィングのもろもろ確認のため、
スクーバ・イグアナ」というダイヴィングサーヴィスに足を運ぶ。
このショップは私たちの泊まるレッド・マングローヴ・インダーウィン研究所の間にあり、
ホテルから直線距離で30mほどととても近い。

スクーバ・イグアナ
ダイヴィングサーヴィス スクーバ・イグアナ

レンタル器材の確認や顧客名簿への記入など行うが、聞きしに及んでいた通り、
ガラパゴスの海はとても冷たいらしい。
特に明日我々が潜る予定の「ゴードン・ロックス」というポイントは潮流も速く、
水温はおよそ18℃ぐらいなんだとか!
妻は持ってきた5mmのウェットスーツを着るのをやめ、
ここで薦められた通り7mmをレンタルすることにした。
しかしフンボルト海流の凄まじさよ。
海だけじゃなく陸地も、本当に赤道直下とは思えないほどに涼しい。
山岳部じゃないからもちろん標高も低いが、
とてもじゃないがTシャツ1枚なんかではいられないほど。
これもイメージと全然違った。

すでに時刻は19時、シャワーを浴びる。
信じがたいほど眠いので、夕飯を喰うのをやめてもう寝ることにする。
ガラパゴスの水道水はしょっぱい味がする。

いつの間にやら眠りこけてしまったらしい
時差ボケが今頃襲ってきたか、知らぬ間に眠りこけてしまったらしい




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