海洋空間スリランカ旅行記



第4日
2012年8月29日(水) 「キャンディアンダンスの夜」
     2012.9.15 公開


早朝の平原と湖
早朝に野生のゾウを探してみるがいなかった

6時半起床
この辺りにも野生のゾウがいると聞き、朝飯前に近くを少し回ってみたが、残念ながら見かけなかった。
代わりではないけれど、相変わらずトクモンキーはたくさんおり、おそらく観光客が廊下に放置したのだろう、
ジュースが少し底に残ったグラスを舐めとり、しまいにはガチャンと割って逃げていった奴もいる。

グラスに残るジュースを舐めとるサル
グラスに残ったジュースを舐めとるトクモンキー

部屋に戻るとヴェランダにもやはりたくさん来ており、慣れてくるとカメラに手を伸ばしてきたり、
挙句の果てには部屋に入るガラスドアに手を掛けたりと、ちょっと親近感もエスカレートし過ぎだ。
そんな折、ボスザルらしき迫力ある個体が一吠えとともに他のサルたちを蹴散らし、
テラスに置かれたテーブルの上に君臨したのだった。

隙あらば中に入ろうとする
あまつさえ、ドアを開けて入ろうとしている

君臨するボスザル
他を蹴散らしてテーブルの上に君臨するボスザル

まあ本当のところは、「人間から何かもらってんのかお前ら、それだったら俺様が先だ!」
という具合だったんだろう。

7時過ぎ朝食を摂る。
この日はチャパティ(そう書いてあったがこちらではロティともいうようだ)があったが、それが実に美味かった。
また、ウッドアップルジュースというのもあったが、まるでノニのような味だった。
レストランの外のスペースに昨日は逃げまくられたハヌマンラングールがいたが、こやつらは警戒心なし。
食べ物の存在がそうさせるのか。

この宿で最後の朝食
ヘリタンス・カンダラマで最後の朝食

チャパティとオムレツ
チャパティ(左)とオムレツ(右)

ハヌマンラングール
レストラン横にいたハヌマンラングール

朝食後部屋に戻ると、外のサルはさらに増えていて、グルーミングタイムの真っ最中のようだった。
このヘリタンス・カンダラマに泊まるのは昨晩まで、ということで、9時チェックアウトして出発
次なる目的地はキャンディという町で、コロンボに次ぐスリランカ第2の都市である。

グルーミング中
グルーミングしているトクモンキーたち

チェックアウトする
チェックアウトして出発

1時間ほど走り、マータレーという町のランウェリ・スパイスガーデンという施設に立ち寄る。
スパイスガーデンとは、スリランカにおける食、
あるいはアーユルヴェーダなどにとって欠かせない各種のスパイスを栽培したり販売しているところで、
各ガーデンにナンバーがつけられているところから、おそらく国内の全施設に通し番号でも設定されているのかな、
と推察される。

スパイスガーデンの正面
まるでジャングルのようなスパイスガーデン

非常に日本語が達者な兄ちゃんがガイドとしてつき、いろいろな説明をしてくれる。
日本語学校に通い、日本人講師から教えを受けているとのこと。
ヴァニラは自然受粉はできずすべて人工授粉であるとか、シナモンの葉から油が採れるとか、
他にもアーユルヴェーダに関する医学的な解説など、勉強になった。
また、魔法の除毛クリームらしきものもあるようで、実際にそれを私の脛に塗られて、
10分ほどして拭き取ってみたらなんとまあ、きれいに脛毛が除去されたではないか!
びっくり。
1時間ほど滞在し、調合済みのカレー粉やら魔法の除毛クリームやら諸々購入した。

きれに脛毛が抜けてツルツル
脛毛が抜けてしまった!

日本語で説明中
達者な日本語で説明してくれる

オオリス
木の上にオオリスがいた

このマータレーという町は香辛料でも有名とのことだが、陶磁器の良い原料となる石も採れる地域だそうで、
日本のノリタケの大きな工場もあるという。

キャンディの町に入ると、さすがに規模が大きいな、という印象を受ける。
東南アジアにも似た、雑然とした雰囲気もほぼイメージと違わない。
車の量も増えるが、走っているのはやはり日本車が多く、商用車はタタ
あるいはLanka Ashok Leylandという国内メーカーが中心、
ごく稀にメルセデスBMWプジョーなどの欧州車が混じるといった具合。
また、この辺は標高が高いようで、
今朝まで過ごしたダンブッラ界隈が雨不足に悩まされていたのとはまったく異なり、空は雨模様
普段から雨は多い地域のようだ。

ショップ等も併設
キャンディアン・アーツ・レジデンシーの入口

1Fに大きな民芸品の店を構え、ホテルも一緒になったキャンディアン・アーツ・レジデンシーでブッフェの昼食
上層階にあって眺めが良く、各種料理やデザートケーキもおいしかった。
ダル(豆)カレーが辛かった。

明るいレストランの内部
レストランの内部

レストランからの眺め
眺めもいい

取った料理
ブッフェで取った料理 右の皿の上部に見えるのがダルカレー

取ったデザート
デザートも美味だった

2Fにあるバンケットスペースでは結婚式が行われているということで、
あれよあれよという間に見学をさせていただいた。
普通の結婚式に訳の分からん外国人夫婦がいきなり闖入してきてもそこは皆祝宴モードということもあってか、
にこやかに受け入れてくれた。

結婚式が行われていた
結婚式場に潜入

新郎新婦
新郎新婦

さらにその後、1Fに併設されているショップを見て回り、黒檀製の小さなゾウの置物を始め、何点か買い求める。

民芸品店の中
ショップの内部はとても広い 2Fもある

購入したゾウの置物
購入した黒壇製のゾウの置物

キャンディの中心部から離れ、降りしきる雨の中、細い田舎道を上っていって、
15時、宿泊するホテル、トゥリー・オブ・ライフにチェックインした。
またヘリタンス・カンダラマとは異なった雰囲気の、大自然の中だ。
いかにも広大なジャングルに囲まれた、といった趣が前者で、
こちらはもっと素朴な、いい意味での片田舎、という言葉がよりマッチすると感じた。
絶対的な広さは決して狭くはないが、施設自体の規模もより小さい。

トゥリー・オブ・ライフ正面
トゥリー・オブ・ライフの正面前

宿泊した棟の中庭
私たちが泊まった棟は三角形

レストラン横にはスイミングプール
スイミングプールもあった

夕方に、伝統的なこの地方の舞踊であるキャンディアンダンスを鑑賞するというイヴェントが控えているので、
部屋に荷物を置いて少しだけ敷地を歩いてみてから、16時に再び町へ向けて出発する。

このキャンディという町は元々現地ではカンダウダルタという名で古来より呼ばれていたそうだが、
ポーランドオランダイギリスと支配国が代わっていくのにつれ、
最終的にキャンディと簡略化されたものに落ち着いたのだという。
そして19世紀初めまで続いたシンハラ人による王朝の最後のだったのが、ここキャンディである。

キャンディアンダンスを観る前に、町の高台にあるアッパーレイクというスポットに連れていってもらい、
そこから眼下に広がるキャンディ湖と町並みを望む。
仏歯寺も見えた。
ここはレイクヴューポイントとも呼ばれているみたいで、定番の眺望スポットとなっているようだ。
土産物売りも立っていたし、記念写真を撮っている新郎新婦もいた。
どうも本日はいわゆるお日柄がいいようで、現地ではたくさんの結婚式が執り行われていたみたいだ。

アッパーレイクからの眺め
アッパーレイクからキャンディ湖を望む

仏歯寺も見えた
仏歯寺もよく見えた

新郎新婦が写真撮影
写真撮影をしている新郎新婦も

ダンスが行われる会場はキャンディ湖の横に立つキャンディアン・カルチュラル・センターという施設。
周辺はもの凄い混雑と化しており、盛り上がってきたなあ、という雰囲気。

会場前は大混雑
会場前は大混雑となっていた

ホールの内部
ホール内部 この後どんどん席が埋まっていった

17時30分、定刻にキャンディアンダンスが始まった。
全体で1時間に及ぶプログラムは、それぞれ10のブロックに分かれており、
まずは横長のドラムを叩く男たちが壇上に登場してくるところから幕開け。

キャンディアンダンスが始まった
キャンディアンダンスが幕を開けた

その後、女性ダンサー数人による"プージャの踊り"、シンハラ戦士の踊りである"バンゼル・ナトゥマ"、
女性がコブラを演じる"コブラの踊り"、2人のマスクマンが現れる"仮面の踊り"、
スリランカ航空のマスコットにもなっている孔雀をイメージした"マユラの踊り"、
大道芸的な皿回しも取り入れられた"ラバンの踊り"と続く。

プージャの踊り
プージャの踊り

コブラの踊り
コブラの踊り

仮面の踊り
仮面の踊り

ラバンの踊り
ラバンの踊り

仮面の踊りでダンサーが頭をグルグル回す場面は歌舞伎を想起させる。
続いて行われたのは"ヴェの踊り"だが、
ヴェとは64のパーツから成るキャンディアンダンスの伝統的な衣装を意味するそうで、
この踊りとその踊り手こそが芸能の集大成、頂点であるのかな?
見た目にそれほどのインパクトと派手さはないけれども…。

ヴェの踊り
ヴェの踊り

一旦ここで全出演者がステージに集い、カーテンコール。
と思っていると、スタッフがステージ前の通路スペースにみんな集まれと、観客を誘導している。
なるほど、クライマックスの火渡りとかはここでやるんだな。
そして準備が整い、始まったのは"ギニ・シシーラ"というファイアーダンスと、"火渡りの儀式"。
これもジャンル的には大道芸っぽいんだが、火の点いた松明を体や口に当てたり、
最後はチンチンに熱せられた砂利の上を素足で渡る。

ギニ・シシーラ
ギニ・シシーラ

火渡りの儀式
火渡りの儀式

ちょっとナイロビボーマス・オブ・ケニアを思い出したな。

楽しげな気持ちとともにホテルに戻り、19時過ぎからプールサイドにあるレストラン晩飯
食事をしているのは私たち以外に2組ほど、宿泊客もこんなに少ないのか?
スタッフが客の3倍ぐらいいるぞ。

ほぼ貸切状態のレストラン
レストランはほぼ貸切状態

ブッフェのメニューにマトンカレーがあり食べてみたら、美味かったが辛い。
マレーシアで食べた時に非常に強い感銘を受けた記憶がある、バナナのフリッターもあった。

取った料理
マトンカレーなんかもあった

おそらくカエルと思われる鳴き声が聞こえている。

食後、部屋に戻り風呂入ってテレビを点けてみると、
現地のESPNクリケットの試合をやっていたのでつい観入ってしまった。
ルールが分からないのでイマイチ理解は及ばないが、
日本に帰ったらちょっと勉強してみようかな、と思うほどには面白そうだった。
22時頃就寝




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