海洋空間スリランカ旅行記



第5日
2012年8月30日(木) 「仏歯寺拝観、そしてアーユルヴェーダ体験」
     2012.9.15 公開


7時まで寝てしまった、ちょっと寝過ぎ。
やや高所なので気温は涼しいが、昨日に引き続き天気は良くない。
朝食を済ませてから、ホテルの敷地内をしばし歩く。
リスはしばしば見かけるが、小さなイグアナが植え込みにいるのを初めて発見した。

小さなイグアナ
植え込みにいた小さなイグアナ

他、ホテルに限らず街中にも遺跡にさえも、がそこかしこにいるのだが、
たとえば日本などで愛玩動物として過剰な愛を注がれているたちよりも、
スリランカはドンと落ち着いていて、ある意味理想的な振る舞いをしていると言っていいのではないだろうか。

犬
ホテル敷地内にいた犬

これは東南アジア諸国ヤップなどに行った時にも感じたことだが、
飼っている(のかどうかすら定かではない)人たちが
自分たちの食い扶持を確保するのに追われる割合が比較的高い場合、
当然などに払われる注意は劇的に小さいだろう。
そのような環境で育ったは、無駄な自己主張をすることも他者に不要な関心を抱くこともなく、
泰然と振る舞えるようになるんじゃないかと思う。

部屋に戻り、ホテルを出るまでまだ少し時間があったので、昨日スパイスガーデンで購入した除毛クリームを、
伸ばしっ放しの髭に使用してみた。
思った以上に、見事に髭は除去されたわけだが、その後肌に少しヒリヒリ感が残った。
あまり広範囲に一気に使うのは止めた方がいいかも。

時折陽が差したり微妙な天気の中、9時半にホテルを出発してキャンディ市街へ向かう。
目的地はブッダの歯が祀られているという仏歯寺
いわゆる仏舎利のようなものだと思うが、インドから渡ってきたという仏歯は、
スリランカでは王位の正統性の証明として使われてきたようで、
遷都の際にはそれとともに移されてきた、という歴史がある。
すなわちシンハラ人の王朝最後の都であるこのキャンディに、現在に至るまで仏歯があるというわけだ。

仏歯寺界隈には車がビッシリ
仏歯寺界隈には車がビッシリ停まっていた

仏歯寺界隈にやってくると、これまた辺りは人と車で大混雑している。
学校の休暇期間であるということと、翌日が満月のお休み、"ポヤデイ"に当たることが影響しているようだ。
スリランカでは満月の日が祝日と定め、公休になるという羨ましいようなよく分からないような習慣がある。
店も観光客向けのレストランや土産物店などは大方空いているが(営業時間が短くなっている場合がある)、
その他の土着的なところは休んでいるところも多いとか。
ガイドプレーマ氏曰く、普段は仏歯寺といえどこんなに人は集まらないそうだ。

仏歯寺の敷地内へと入る
いざ仏歯寺の敷地内へ

入口
この入口をくぐると仏歯は近い

ムーンストーン
ムーンストーン

境内は本堂以外にも建物がいくつもあり、結構広い。
本堂手前で履物を預けて、いざ中へ。
トンネル状になった通路に描かれた極彩色の絵が鮮やかだ。

トンネル状の通路には壁画
トンネル状の通路には鮮やかな壁画が

奥まで進んでみると、仏歯を収められた容物を拝むための列が特に混んでいる。
激烈と言ってもよく、それに加えて皆順番を整然と守るような性質の国民ではないので、まさに押し合いだ。
外国人観光客はこの列にはほとんど加わっていないようだったが、せっかくここまで来たので、
敬虔なスリランカ人仏教徒たちに交じって御本尊参拝へ。
皆、捧げるための花を持っている。
容物そのものの撮影は禁止だったが、この目でチラリと黄金のストゥーパを拝むことができた。

仏歯を拝むために並んでいる人たち
仏歯を拝む人たちの長蛇の列

花を捧げる人々
花を捧げる人々

この後、ガイドプレーマ氏の導きで他のお堂などを回る。
宝石などが嵌め込まれたかつての経典が収められた八角堂状のライブラリスペースや、
日本を含め、各国から寄贈された仏像が祀られた一角など。
まるでキリスト教の教会のようなホールに飾られたたくさんの絵には、
スリランカ仏歯を巡る歴史物語が綴られていた。

門を守るのは大きな象牙
巨大な象牙で守られた門

宝石が嵌め込まれた経典
宝石が嵌め込まれ、とても価値が高いという経典

各国から寄贈されたという仏像群
各国から贈られた仏像が並んでいる

絵が掛けられているホール
左右に絵がたくさん掛けられている

かつてこの仏歯寺にも自爆テロが仕掛けられたことがあり、その時吹き飛んだ建物の修復の跡も教えてもらった。
そんな事件があったためだろう、そういえば仏歯寺に入場する時には2度もボディチェックを受けていた。
また、復旧に際しては日本の永平寺からも援助があったそうだ。
ということはスリランカ仏教は曹洞宗と近いのか?

テロで再建された左側は色が違う
左側の新しい部分がテロ後に建築された部分

仏歯寺を後にして向かったのは、キャンディマーケットという2階建ての小さな市場。
ここはもちろん地元の人たちの御用達にもなっているみたいだが、観光スポットでもある様子。
マンゴスティンマンゴー
ランブータンというドラゴンフルーツを小さくしたようなフルーツを少し齧らせてもらった。

キャンディマーケットの中庭
キャンディマーケットの中庭

果物店
店先には色とりどりの果物が

マーケット内の様子
マーケット内の様子

マーケットを出た後、少し街をブラブラ歩いてみたいという私の希望で、
ガイドドライヴァーと一旦別れて妻と街歩き。
大都市の繁華街ということもあって、とにかく凄い人混みだ。
大きな交差点には横断歩道がないため、地下道で向こう側とつながっていたが、
その地下道にも店が連なっていた。
地下といっても吹き抜けがところどころに空いており、明るい。

人通りが多い
人通りがとても多い

明るい地下道
明るい地下道にはショップもある

また、まるで大阪アメ村渋谷センター街のような雰囲気の(規模はもっと小ぢんまりとしているが)、
いわゆる若者が集う路地のような通りもあった。
あとはバスターミナルがあったり。
象徴的なコロニアル建築であるクイーンズホテルまで行ってみて、マーケットまで帰ってきた。

若者が集いそうな裏通り
若者が集う裏通り?

クイーンズホテル
クイーンズホテル

プレーマガイドプリアンテドライヴァーと合流し、出発
昼食の前に、シルクを始めとする服飾店、シルクガーデンズに立ち寄り。
日本人の彼女を持つという小柄な兄ちゃんが大変早口で達者な日本語でいろいろと説明をしてくれるが、
見るだけで何も買わず。

シルクガーデンズ内部
シルクガーデンズ内部

そして、ハニーポットという、眼下に流れる川を見下ろすレストランへ移動してランチ
ブッフェ続きでちょっとパターンが硬直化していたので、アラカルト式のものを。
といっても2人ともカレーのセットを頼んだのだが、いろんな種類のカレーが出てきて、どれもおいしかった。
1つだけとびきり辛いのがあったな。

ハニーポット正面
ハニーポット正面

レストラン内部
横には川が流れている

豊富なカレーの種類
色々な種類のカレーを食べた どれも美味

外で活動する間、何とか雨は降らずに持ってよかった。
14時過ぎホテルに戻り、そのままアーユルヴェーダ体験に突入する。

アーユルヴェーダ棟
アーユルヴェーダが行われる建物

ここで施術が行われる
施術が行われる部屋 右側に見える、吊り下げられた陶器から額に温かいオイルが垂れてくる

アーユルヴェーダというのは一般的にイメージするマッサージだけでなく、医療、食事、エクササイズなど、
いうなれば生活全般に渡るコンセプトのことだから、まさにほんのマッサージ体験に過ぎないけれど、
初めに医師の診察を受けた後、ヘッドマッサージ
シーロダーラ(頭上の素焼きポットから額の上にポトポトとハーブオイルが垂れ落ちてくる)、全身マッサージ
フェイスマッサージスティームサウナ、それからハーブ風呂にシャワーというコースを締めて2時間弱、
味わう。
ちなみに妻と同じ内容。
一応シャワーで洗い流したけど、まだ総身にヌルヌルしたオイルが残っているような感覚がある。

マッサージ後、ホテル周りを散策に出てみる。
バードウォッチングトレイルなるものも設定されているようだが、ホテルのゴミ捨て場があったり、
また整備がなされていないから雨上がりのこんな状態ではかなり歩きづらかったりしたので、
そこにはほとんど足を踏み入れず。

野鳥
名も知れぬ野鳥1

野鳥
名も知れぬ野鳥2

ただ生き物の気配はやはり濃い。
鳥の種類は多く、小型のタカの1種もいたが、写真には撮れず。
おそらく樹上性と思われるカエルの声も聞こえているので、何とか観察&撮影したいと粘ってみたが、
それを成功させるには私の技術も機材の性能も装置の準備もそれから肝心の覚悟も欠けているようで、
無理だった。
せっかく足音も潜めて生き物観察をしようとしているのに、電話をしながら歩いている中国人の声が異様に大きく、
奴らの傍若無人ぶりを改めて実感した次第。

夕方、今朝ランドリーサーヴィスに出した妻のパンツが上がってきたが、
セットになっていた共布のベルトが失われた様子。
さすがスリランカ
また明日探してもらおう。

19時30分夕食を摂りにレストランへ。
昨夜より客はグッと増えているぞ。
よかった。
日本人も結構いる。
スリランカに来てからこれまで、
ブッフェばかりだったということもありどうしても相当な満腹状態で食事を終えるというケースが続いていたのだが、
初めて見る食材や料理が減ってきたということもあって、ここにきてようやく量を控え始めることに成功した。

イカを揚げてくれる
イカを目の前で揚げてくれる

取った料理
最初に取った料理

今晩はクリケット中継はやっていなかったな。
22時就寝




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