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2011年9月15日(木)

「百物語」第二十九夜

「兵庫県立芸術文化センター」に、白石加代子さんの「百物語」を観に行った。
今回が第二十九夜。
お題は「お文の影」と「ばんば憑き」で、ともに宮部みゆき氏原作。
「お文の影」の方は、9月15日という日程に合わせてチョイスされたであろう噺だと思うが、捻りやサプライズは込められていないものの、スラリとした正統派といった趣で、白石加代子ワールドへと誘う前段としてはふさわしい。
休憩を挟んで読まれた「ばんば憑き」こそまさに真骨頂。
よくできたホラー映画の如く、名状し難い期待感にも似た恐怖を観客に強いる圧倒的な演技。
加えて、故桂枝雀氏の理屈ではないが、緊張の合間に挟む絶妙な緩和も名人芸。
私は原作を読んでいなかったので、プロットも含めて最前列で堪能し尽くした。
惜しむらくは若干演出、脚本がアッサリしていたように感じられたこと。
特に「ばんば憑き」の締め括りは、もう少し温度を上げることができたような気もする。
一方で、やり過ぎないことこそ真髄、という思いもあるんだけど。
もう九十四話。


♪ I Ain't The One - Lynyrd Skynyrd


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