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2005年11月20日(日)

bjリーグ 大阪エヴェッサ観戦

今年発足した日本初のプロバスケットボールリーグ、bjリーグ。
今月開幕した前後には二ュース番組でもたびたび取り上げられたりしたので、少しは知名度も上がったかな?
今日はその試合、大阪エヴェッサvs新潟アルビレックスの1戦を観に行った。
会場は大阪・門真のなみはやドーム。
行く前に公式サイトで情報を確認していたら、なみはやドームのサブアリーナ使用(開幕戦はメインアリーナだった)とはいえ、当日券の発売はなし、つまりチケットは完売とのこと!
すごいじゃないか。

ティップオフは15時、開場は12:30、家を13時頃出て、14時前に到着した。
まずは売店でカレーライスとおにぎりを買って軽い昼飯にする。
ちなみにbjリーグに属する6チームそれぞれにちなんだレトルトカレーが市販されているらしく、会場内の店で作られて売っていたのはホームのエヴェッサ味(ビーフカレー)と対戦相手のアルビレックス味(タケノコカレー)。
敵だけどタケノコが好きだからタケノコカレーを食べた。

試合開始1時間とちょっと前にアリーナに足を踏み入れたら、すでにチアリーダーやMCらによる試合前のアトラクションでかなり盛り上がっていた。
楽しくなってきた。

試合前のパフォーマンス

席はアリーナの3列目というかなりコートに近いポジション。
右斜め前方5mほどには相手チーム、新潟アルビレックスのベンチがある。
NBAもこれぐらい近くで観たいなあ…。

大阪ならでは、吉本新喜劇の面々がコートに登場してコントをするなど、観客を飽きさせぬまま時間は経ち、ほどなくして両チーム選手たちのシュート練習が始まった。
大阪エヴェッサの#6 竹田智史の日本人離れしたジャンプ力はしかし実にすごかった!
彼が前にいたチーム、大阪ディノニクスの関係者から以前チラリと聞いたことはあったんだけど、本当にものすごい身体能力。
185cmの身長ながら、レイアップの代わりに次々とダンクをブチかましていた。
あとは193cmのアスレティックな白人SG、#33 マット・ロティックも歓声にノセられてダンクを連発していた。
相手チームの新潟アルビレックスに関して言うと、ヴェテラン・ガードの長谷川誠を「1999 SUPER DREAM GAME」以来に観るのを楽しみにして来たのだが、彼はケガで欠場とのことで至極残念。

ほぼ満員になり出した場内の観客たちのテンションもだいぶ高まってきて、僕らも同じく、かなり声が出てきた。
細かいことは抜きにして、やっぱり日本国内にプロリーグができて、そして地元に密着したチームたちが生まれ、その試合が行われるということは本当に素晴らしいことだなあ。
何より、“我らが街のチーム”にどっぷりと入れ込める。
NBAの開幕戦やプレシーズン・ゲームなんかを日本でやることもあるけれど、その時対戦するのはもちろん両方ともNBAのチームだから、日本のアリーナで観ている観客たちもどちらかのチームを応援する、という風ではなく、あくまでもNBAのゲームを楽しむ、というスタンスしかなかなか取りにくい。
だからどっちのチームが点を取っても同じように歓声が上がるし、場内のDJが「D-フェンス!」なんて頑張ってみたところでどうにもなりゃしない。
その点、ここは大阪、みんなで大阪エヴェッサを応援するのだ! という方を向いて揃っているから、それは気持ちいい。

時間になり、いざティップオフ。

ティップオフ

…。
始まって2分以上経つのに、スコアは0-0!
なんじゃこりゃ!
実はプレシーズンを観に行った仕事仲間のHくんに聞いてはいたのだが、やっぱりバスケットボールという競技レヴェルにおいては、bjリーグは決して高くない、シヴィアに言ってしまうと。
確かにゲームのレヴェルはJBLの方が数段上であろう。

この試合でもいろいろと僕なりに気付いたところはあって、まずゲームメイキングできるPGがいない。
エヴェッサのスターティングPGは#31 城宝匡史、リザーヴは#13 宍戸治一と#5 石橋晴行だったが、誰もまともにゲームをコントロールできていなかった。
とりあえず走って、1on1やって、ペネトレイトして無理な体勢からトリッキーなパスを試みて自滅。
そんなパターンが幾度か目に付いた。

外国人SGの#33 マット・ロティックもしばしばPG的役割を務めていたが、彼も同じ。
アスリート能力があり、さらには想像だが、彼とてNCAAデョヴィジョン1の出身、こんなバスケットボール後進国の独立リーグなぞレヴェルが低すぎてもう…、なんてなめている気持ちがひょっとしたらあったのかなかったのか、強引に自分で行き過ぎて自爆しがちという面においては、余計酷かったかもしれない。

大まかな印象としては、“フルコートでストリートバスケをやっている”ようなイメージ。
選手個々の潜在能力としてはさすがにそれなりのものがあるだろうし、特にスピードなんかに関しては思った以上に皆ハイレヴェルだったんだけど、フォーメーションやハーフコートでのセットオフェンスなんかは割りとメチャメチャ、ってカンジ。

…とこうして振り返ってみると何だか僕は文句ばかり書いているけれど、実際にはすこぶる楽しんだのである!
前半を終了して大量リードされていた大阪エヴェッサであったが、第3クォーターに神がかり的な勢いを発揮し、なんとこのクォーターのスコアが27-3!
これもまた、なんじゃこりゃ!
そのままリードを保って、終わってみれば77-65の完勝!
周りのブースター(サッカーでいうサポーターみたいなもの)たちとともに勝利の喜びを分かち合ったのだった。
ちなみに後半は傍目にも新潟アルビレックスに不利な判定が相次ぎ、ヘッドコーチの廣瀬昌也はジャケットを脱ぎネクタイを外して激高していた。
「トラヴェリングでしょうがあー!」
「なんてジャッジだ!」
「はいはい、プッシング、ナイスジャッジ!」←もう切れている

先ほどは苦言ばかりを呈してしまったが、もちろん素晴らしいなあ、と思ったところもたくさんあって、まずは外国人選手たちのさすがのレヴェルの高さ。
#33 マット・ロティックもゲームメイクに関してはアレだったけど、個人的なスキルはやっぱりすごかった。
外からも入るし、速いし、高いし、強いし。
でも何よりもすごかったのは#50 ジェフ・ニュートンのゴール下での超人的能力!
印象では、「ほとんどのリバウンドこいつが取ってんじゃねーの?」というぐらいに取りまくり、そしてすさまじい高空地点でブロックを浴びせまくっていた。
それなのに3ポイントも決める。
まあ身長205cmと、このリーグでこそゴール下の番人と化していたけど、向こうではSFだろうからそらアウトサイドも撃てるだろう。
さらに#44 リン・ワシントンのオフェンス能力の高さも非常に目立っていた。
特にゴールに近いところでの体の使い方が非常に上手かった。
それでいてアウトサイドも当然決める。
とりあえず、アメリカでそれなりにやってきたアメリカ人は、やはりステージが少し違う。
最終スタッツは、このワシントンが29点、そしてロティックが19点でニュートンが17点。
チームの総得点77点中、65点をこの3人で!!!
こりゃビッグ3どころじゃねーな!

残念ながら日本人選手に関してはちょっとうーん…、だったかも。
何といってもこの試合でポイントを取った日本人は#31 城宝匡史の5点、そして#10 波多野和也の4点だけなのだから…(残りの3点は#12 デヴィッド・パルマー)!

ただ、さっきも少しだけ記したけれど、選手たちのスピードは思っていた以上。
1on1やファストブレイクは見応えがあった。

あと試合に直接関係はないけれど、リーグを挙げて盛り上げていこうとしている意志は随所に見えて、それはなんかやっぱりいいなあ、と感じた。
試合前後やハーフタイムに行うアトラクションやチアリーディングは、NBAをお手本にちゃんとまとめていたと思う。
特にチアリーダーたちの統率は試合前から終わるまでずっと、発足したばかりとは思えぬほどしっかりととれていた。
ファンサーヴィスにも力を入れていて、試合前の選手入場時にはスタンドにサインボールをプレイヤーたちが直接投げ入れたり、試合後も積極的にコートに残ってアリーナ席の観客たちのサインに応じたりしていた。

大阪エヴェッサのマスコット“まいどくん” 試合後、サインに応じるエヴェッサのプレイヤーたち

だからこそ、bjリーグは本当に成功してほしいと思う。
失敗に終わってほしくない。
先述したようにゲームのレヴェルは高くはないし、また財政的にも厳しいだろうが、リーグ全体をしっかり運営して盛り上げていこう、という気持ちがちゃんと伝わってくるから。
その点においては、明らかにJBLスーパーリーグよりも勝っている。
このあたりは河内敏光コミッショナーの理念の高さと手腕のなせる業か。
そして、一見矛盾するようにも感じるかもしれないけれど、成功するためには一刻も早くJBLと和解→統合することだと思う。
これまで遅々として進まなかったJBLのプロ化も数年後には実現するというし、さらには「日本プロバスケットボール協会」なんて第3の団体も設立されようとしているが、この日本という小さな、そしてバスケットボールというスポーツの競技人口がとても飽和しているとは言えない国においては、リーグ乱立こそがバスケットボールそのものの衰退を招くことになる。
リーグが増え、システムやチームが増えても、その結果見えているのはレヴェルの低下のみ。
早いことみんなが一つになって、プレイヤーもコーチもゲームもファンサーヴィスもサラリーも、すべてがハイ・クオリティにあるリーグの誕生を切に願う!


帰途、西宮に戻ってホームセンターを経由した後、苦楽園口にあるレストラン「プライムゲート」で夕飯。
今日食べたのはまぐろとアヴォカド プライムゲート風、ビーフストロガノフ、イベリコ黒豚の岩塩焼、牡蠣フライなど。

帰ってから水槽の水換え。
最近すっかり2週に1度のペースになってしまった…。
水換えといっても水槽の数が多い&水量が多い(120cm×1、60cm×2、35cm×1)からちょっとした重労働だ。
ザッと一通りの作業をするだけでも1時間30分掛かるし。


♪ Dead Again - Buckcherry


コメント

試合見たかったなあ★波多野選手見たかった

波多野選手はまったくもって不調でしたが、会場はかなり盛り上がってたよ。

#31城宝はこの試合PGではなく、SGだったんですよ。
PGは#33マットでした。マットはこのあとの試合では、うまく
ゲームコントロールしていると思いますよ。
まあこれからの長丁場、エヴェッサには頑張ってほしい!!

なるほど、どうりでマット・ロティックが主にボールをキープしていたんですね。
てっきり2ガードのような形なのかと思っていました。
また来年1月8日に東京アパッチ戦を観に行くので、今度は日本人選手の活躍にも期待したいと思います。

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