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2006年1月 8日(日)

bjリーグ2度目の観戦極私的感想

金曜の昼から土曜の晩まで約32時間、なんだかんだで1時間ほどの仮眠以外は働き続けたこの週末、土曜の22時頃から2時間ほど仮眠しようとソファに横になったらとてもじゃないが2時間では覚醒できず、半開き眼のままベッドへと移動して計12時間ほどは寝た。

そんな今日は、大阪・門真のなみはやドームへbjリーグの大阪エヴェッサvs東京アパッチの試合を妻と観に行った。
昨年11月20日に続き2度目。

試合開始は15時、現地には14時過ぎに着いたんだが、前回の時と違って駐車場を待つ車が長蛇の列をなしている。
ぬう、入れない。
不本意ながら路上駐車してアリーナ内へ。

席に座ったのが14:30、ちょうど選手入場が始まる時だったんだが、驚いたのは、僕たち観客がアリーナ席に行く通路と選手たちが入場に使う通路が同一だったこと。
なので着いて早々、席に向かう途中、通路で鉢合わせた入場待ちのエヴェッサプレイヤーたちとハイタッチ。

今回の相手の東京アパッチは、ヘッドコーチがあのコービ・ブライアントの父、ジョー・ブライアント、プレイヤーにはシカゴ・ブルズ王朝を築いた1人であるスコッティ・ピッペンの甥、ウィリアム・ピッペンに、AND1 Mix Tape Tourの一員でもあるジョン・“ヘリコプター”・ハンフリー、そしてbjリーグに籍を置いている日本人プレイヤーの中ではナンバーワンの実力を持つと僕が思っている仲西淳が所属しているなど、いろいろと注目すべきところを持っているチームである。

試合前のルーティン練習を観ていたら、その東京アパッチのヘリコプターが1人だけプログラムに沿った全体練習に混じらず、みんなが揃ってアップをしている横で勝手気ままにシューティングをしているじゃないか。
何ならルーティン練習の邪魔にさえなっている。
確かに名前と実績と実力のある選手ではあるが、しばし唖然となった。
そういう契約なのか?
どちらにしても日本と日本のプロバスケットボールをなめている。
果たしてヘリコプターのセルフィッシュな行動を許しているヘッドコーチのジョー・ブライアントもそのようなスタンスなのだろうか? と少し不安を覚えた試合前。

結果的にはそんなことはなく、ジョーは試合を通して終始ちゃんと気合を入れて指揮を執っているように見え、時には声を荒げ張り上げて自チームのプレイヤーを叱咤したりしていた。
ちなみに息子のコービよりもデカそうだった。
210cmぐらいはあるんじゃないか?

だけどやっぱりヘリコプターは期待外れ。
まず試合前と同じく、取り組むスタンスがどうなのよ、ってカンジ。
ゲームではポイントガードの役割を務めることが多かったが、まず1on1ありき、どうだ俺の個人能力は? 精神。
ファウルコールのたびにオフィシャルには喰って掛かる。
Mix Tapeのメンバーなのだから格下のジャパニーズども相手にせめて“魅せる”プレイはしてくれるんだろうと思ったけどそれもなく。

仲西淳は期待に違わず、よかった。
練習の時にはダンクまでぶちかましていて思わず「すげえ!」と声を上げた。
身長180cmの黄色人種が繰り出すダンクは本当に迫力がある。
全身まさにバネのような身体能力だ。
試合に入ってもPGとして非常にいい働きをしていたように思う。
さすがにゲームタイムにダンクは出なかったが、パスも上手くいいところでスリーも決めていた。
そしてファストブレイクの時にはとにかく速い。
やっぱり高校、大学とアメリカでプレイし、高成績を挙げて高評価を受けていただけのことはある。

東京アパッチの仲西淳

あと東京アパッチのプレイヤーの中では、PF的ポジションの青木勇人のよさが印象に残った。
主にローポストでのポジション取りが上手く、また193cmと日本人プレイヤーとしては長身ながらもシューティングタッチがとても柔らかでロングレンジ・シュートもよく決めていた。
何より積極性もあった。

おおっと、ここまでまったく書かれていなかった地元の大阪エヴェッサについては、前回の観戦時よりはチームとしてのまとまりは数段レヴェルアップしていたように思う。
やはり創設1年目、ほんの数ヶ月でもケミストリーの進み具合は大分変わってくるのだろう。

この前は特にゲームメイクについて不満があったマット・ロティックがとにかく素晴らしかった。
今日もアスレティックな能力を生かしたプレイが優先的に選択されているという基本スタンスは同じだったが、前観た時よりも圧倒的に周りが見えていたし、また信頼していたように思う。
でもやっぱり一番優れているのはフィニッシャーとしてのマット・ロティックで、“サンダー・ダン”、ダン・マーリーを髣髴とさせるようなクイックネスを生かしたペネトレイトや、NBAルールのラインよりも遠くから撃つのにいいところでよく決まるスリーポイントなどでアリーナを度々沸かせていた。

ジェフ・ニュートンのゴール下の番人ぶりも相変わらず、そしてリン・ワシントンの爆発力とアグレッシヴさも相変わらず。

やっぱり今回も若干情けなかったのが大阪エヴェッサの日本人プレイヤー。
特に前回も期待を裏切った城宝匡史はこの試合もつまらないミスを連発し、ほとんどがエヴェッサの味方であるなみはやドームの観客たちからもしばしばため息が漏れた。
うちの妻ですら「何であの人試合に出てるの?」と、素人ならではの厳しい一言が口をついて出るくらい、出来が悪かった。
追い上げ機運が高まり、ヴォルテージも最高潮…、って時に、せっかく外人がブロックでものにしたボールをしょうもないターンオーヴァーで相手に渡してしまう…、嗚呼。
ただ僕が観た2試合ではたまたま酷かったが、スタッツはそれなりのものを残しているようだし、何より毎試合スターターとして多くの時間出場している以上、出しさえできればちゃんと実力は備えているのだろう、と信じたいが…。

波多野和也も、注目度が高い分期待も高まってしまうのでそういった点では彼は損をしているのかもしれないが、やっぱり、ああ、こんなものか、という動きだった。
しかし速攻のノーマークでは見事にボースハンズ・ダンクを成功させ、またオフェンス・リバウンドをワンハンド・タップで上手く決めるなど、随所でアリーナのブースター(bjリーグではファンのことをこう称する)を盛り上げていた。
僕も盛り上がった。

あとは太田和利と宍戸治一が短い出場時間ながらいいプレイをしていた。
特にあの場面での太田のスリーは見事。

これはもう分かりきっていることなのかもしれないが、総体的にやはり日本人と外国人の差があり過ぎる。
サイズのみならず、スピード、テクニック、パワー、つまりすべてのフィジカルな能力が。

また大阪エヴェッサについて言えば、どんな方針だか知らないがメンバーのローテーションがあまりにも少な過ぎるように思う。
デヴィッド・パーマーやヴィクトル・アルフォンソ・アリザはほとんど出番がないみたいだし、外国人に近いアスリート能力を持つ竹田智史も全然出してもらっていない。
たとえばもう少し多い時間、波多野や城宝をベンチに置いて代わりに彼らを使ってみたとしたらどうなのだろうか?

試合は、終始東京アパッチがリードを保ち、後半に入って一時は大阪エヴェッサが3点差にまで詰めて、おお、これはまたあの時のように一気に逆転か、と思わせるも及ばず、85-80の5点差で東京アパッチが勝った。
城宝が…。

試合後に行われていたサイン会&写真撮影会の様子

今日もまたここまで書いといて何なのだが、イヴェントそのものはとても楽しんだし、bjリーグ、ひいては日本のプロバスケットボールの成功を心より願っている僕。

試合観戦後、うちの近所のメキシコ料理店「カフェ・ラティーノ」に直行して夕飯を食べる。
魚介類のブイヤベース鍋に、仔羊のファヒータ(タコス)とチキンとシーフードのファヒータ、サボテンと大根のサラダ、そしてアステカスープなど。
いつもながらここのトルティーヤはトウモロコシの風味が最高に美味く、チーズのとろけるスープも体が温まるし、パスタの入ったブイヤベース鍋もヴォリュームもあって満足。
食後にはサーヴィスでバナナのパンケーキをデザートに出してくれた。


♪ Young Blood - Whitesnake


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