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2008年4月29日(火)

皆川博子氏は過小評価されていませんか?

いろいろなところですこぶる評判の良い「ミノタウロス」(佐藤亜紀)を遅ればせながら読んだが、この小説がここまで賛美されるのであれば、皆川博子の「聖餐城」だってもう少し評価されるべきでないの、と感じ入った。
「聖餐城」だけじゃない、「冬の旅人」だって「総統の子ら」だって「死の泉」だって、そしてもちろん「薔薇密室」だってそうだ。
10数年来好きで毎号購読している「本の雑誌」に対して何の文句もないが、この点についてだけはどうなのよ、と問いたい気持ちだ。


♪ Shaking Off The Chains - Black Sabbath


コメント

まったくもって同感です。文学研究の領域でも、研究が進んでません。
たぶん理由ははっきりしていて、皆川さんの作品を評価するための解釈枠がいまだ存在していないからではないでしょうか。
幻想文学というフレームがたぶんもっとも近いんですけど、それだけでは収まりきらないものを孕んでいると思います。
ちなみに皆川さんの旧姓は塩谷さんです。
皆川さんのお父さんの弟さんは、塩谷勉さんといいます。
この方は農学の権威で、九州大学名誉教授で、同時に長く日本心霊科学協会の理事をしていらっしゃいました。お兄さんもそちらに造詣のある方で、いわば心霊一家ですね(笑)。
博子さんもご自宅で霊媒的な役割を果たしていらっしゃったようです。
詳しくは、塩谷勉さんの「霊は生きている」(地球社)に載ってます。
以上、サプライズ情報でした(笑)。

いっちいさんほどの方に「同感」と言っていただけるとは恐悦至極に存じます。
なるほど、作品の解釈には枠、スキームがツールとして用いられることが多いのですね…。
そういった意味でいうと確かに収まりにくい作品群かもしれませんね。
そしてそれはちょうど先日会った私の後輩の彼についても言えるかも…。
さらに何ということですか、その魅力的すぎるプチ情報は!
これまたいっちいさんだからこそご存知の蘊蓄。
塩谷勉さん、ぜひ読んでみたいと思います。

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