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2016年4月 2日(土)

丹波一泊小旅行記

もう先週末になるが、3月中の牡丹鍋があるうちに、そしてイチゴ狩りのシーズンにも合わせ、心のふるさと・丹波へ一泊で赴いた。


2016年3月26日(土)

行楽日和だが、舞鶴若狭自動車道はいつものように順調に流れ、家を出てから1時間20分ほどで、昼食を予約していた柏原の無鹿へ到着した。
鹿料理と言えば、の如くすっかり人気店として定着され、この日も店内は活況を呈していた。
ワインで蒸し焼きにされた真っ赤なロースは口中で旨みがとろけ、低温で2時間焼かれたというもも肉のステーキは淡白で粒マスタードがよく合う。
好意で出していただいたフィレのしゃぶしゃぶもあっさりして歯触りも美味く、またネックの方は対照的にいかにもジビエといった野趣があってこれもまたいい。
来るたびに進化を遂げている。
ご多忙の隙を縫い、店主のKさんとも旧交を温めることができたし、鹿の脂で作ったというクリームまで頂いてしまった。
毎度ありがとうございます!

鹿ロースの赤身は実に美味い

午後からは、前もってお願いしていた「ふれあいガイドひかみ」のボランティアガイドの方の案内により、水分れ資料館と清住かたくりの里を観光で回った。
ここ丹波市氷上には、日本一標高の低い分水界があり、まずその予備知識を教えていただいてから、資料館の展示を見ながら係の方の解説を伺った。
客は我々だけで、非常に贅沢な見学だ、これは。

水分れの交差点

かたくりは丹波市の花ということで、一大群生地へと連れていってもらったが、まだ少し早いけど、というガイドさんの言葉通り、ほとんどは開花前であったものの、陽当たりのいいところを中心にいくつか、花びらをグンと反らせて咲き誇っているものを観ることができた。

かたくりの花

やはり勝手に観て回るより、こうして解説を添えていただくだけでその価値は格段に増す。
また、ガイドさんには町村合併時の事情や篠山市との関係、あるいは丹波という言葉が指す意味合いなども教えていただいたが、そういった機微なんかも決してガイドブックから得られるものではなく、地元の方に聞いて初めて知ることができる意義ある情報だ。
ありがとうございました。

宿泊は春日にある国領温泉 助七。
意外や、丹波には温泉施設がとても少なく、ここは中でも非常に限られた温泉旅館である。
近所を少し歩いてから風呂に浸かって、夕飯は牡丹鍋。
出汁は味噌仕立てで山椒が効かされており、すき焼きのように生卵をくぐらせて食べる。
煮込めば煮込むほど柔らかくなる、という言葉の通り、たっぷり味を沁み込ませたイノシシの肉は抜群の美味さだ。
野菜も肉もてんこ盛り、黒枝豆や季節の筍ご飯もあって、腹はち切れるほどに味わった。

牡丹鍋


2016年3月27日(日)

6時過ぎに起き、宿の近隣を軽く30分ほど走ってみた。
やはり朝の冷気の鋭さは街中のそれとは全然違う。
しかしこんなところで毎朝を迎えて体を動かしたら気持ちいいな~。

三尾山の向こうに朝日が昇る

朝風呂、朝食の後、チェックアウトして、イチゴ狩りをしにあぐり丹波3Dいちご園へ。
もはや毎年の恒例行事になってきた。
今年はお馴染みのあきひめやとちおとめ、紅ほっぺ等の他、桃薫という新品種が加わっていたが、その名の通り、かじると桃のような香りが広がって、実に美味かった。
お腹の調子が悪くなりそうなぐらいに食べきって、お土産も詰めて終了。
大満足。

あぐり丹波のイチゴ

道の駅あおがきで少し腹ごなしのために時間を潰してから、昼食は蕎麦の大名草庵へ。
まさに奥丹波という名がふさわしい、離合もできない隘路を進んだ先にある茅葺の古民家だ。
前日に電話を入れておいてよかった、雰囲気のある店内は満席。
客足は正直に味を物語っている。
鴨汁つけ蕎麦と、鯖ずしと蕎麦のセットを。
まずは塩を少しだけ麺につけて蕎麦の味見をするという演出も面白い。
熱々の鴨汁や酢の効いた鯖ずしはもちろん、喉ごしも含めて十割蕎麦の味わいを存分に堪能した。
Nさん、また来まっせ!

蕎麦と鯖ずしのセット

帰途、篠山の今田に立ち寄り、立杭の丹波焼窯元をいくつか見て回る。
ちょうど自宅用に何種か食器が欲しい、と妻が思っていたタイミングで、じっくり選んだ結果、丹泉、大雅、源右衛門という3つの窯で器を購入した。
これまで何度も通過はしているものの、降り立って歩いたのは初めてだったこの窯元界隈だが、窯ごと、あるいは作家ごとの色とか作風も本当に多様に富んでいて、特に器に興味を持っていない私でも楽しかった。

立杭

意外とこの今田で時を費やしたことで、帰りはモロに夕刻の渋滞時間帯に当たってしまった...が、丹波篠山を満喫した2日間であった。


♪ Mona Lisas And Mad Hatters - Elton John