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2006年4月14日(金)

FIBA バスケットボール世界選手権決勝戦

今年は記念すべき第1回のWBCが開催され、6月にはサッカーのワールドカップも待っているが、もう1つ、バスケットボール好きには垂涎の超ド級ビッグスポーツイヴェント、世界選手権が夏に行われる。
しかも会場は日本!

これはもう何が何でも観に行くしか道はないということで、9月3日(日)にさいたまスーパーアリーナで行われる決勝戦のチケットを入手することに成功した(この日に行われるもう1試合、7-8位決定戦も観戦することができる)。
もちろんお目当てはUSA代表、NBAのトッププレイヤーたちから選抜されたいわゆるドリームチームの末裔である。
ところが冷静に考えてみると、果たしてアメリカ代表が決勝に駒を進めている可能性はそれほど絶対的なのだろうか? という素朴な疑問がふつふつと沸き起こってきた。
というよりも、ひょっとしたら決勝に来る前に敗退している確率の方が高かったりしない…?

近年の国際大会における男子バスケットボールアメリカ代表の成績を振り返ってみると、2004年のアテネ五輪が銅メダル、2002年の世界選手権ではメダルにすら遠く及ばない6位だった。
もちろん両大会ともNBAプレイヤーたちから成る代表メンバーが出場して。
WBCではないけれども、1992年のバルセロナの時は相手チームから記念写真を求められるほどに(それも試合後ではなく戦う前に!)神格化され絶対的な強さをまとっていたNBAスターたちで構成された、バスケットボールの祖国を代表するチームUSAは、今や勝利を約束された存在でも、ましてや欧州や南米の国々に胸を貸す立場ですらない。
そして今回の代表候補の顔ぶれを見て、不安はさらに募った。
大丈夫か、このメンバーで?

コービ・ブライアントレブロン・ジェイムズ、ドウェイン・ウェイドといったビッグネームたちも名を連ねてはいるけれど、やっぱり誰がどう見てもビッグマンが絶対的に足りない。
というかいない。
純粋なセンターなんか誰一人いないじゃないか。
1人1人の能力は高いとはいえ所詮寄せ集め、合宿期間も短い付け焼刃のUSA代表が、個々のサイズも大きく高度に組織化されたヨーロッパや南米の強豪ナショナルチームの強固なゾーンディフェンスの前に脆くも敗れ去っていったアテネ五輪や2002年の世界選手権の時の光景がまざまざと甦るではないか…。
「身長はコーチすることができない」という有名な言葉があるように、長身が絶対的なアドヴァンテージと成りうるバスケットボールという競技において、地味だけど確実に計算できるセンター中心のポストプレイやビッグマンを起点としたセットオフェンスを持たない代わりに、個人のスキルに頼るストリート・テイストなオフェンスや3ポイントなどの水もの飛び道具を当てにしたゲームの進め方をもし採るのだとしたら、それはあまりに危険である。

何よりも寂しいのが、シャキール・オニールを始め、ティム・ダンカン、ケヴィン・ガーネット、ジャーメイン・オニール、ベン・ウォレスといった、支配的なビッグマンの役割を果たしうるアメリカ人プレイヤーたちが次々と世界選手権不出場の意思を明らかにしていること(ビッグマン以外にも、レイ・アレンジェイソン・キッドヴィンス・カータートレイシー・マグレィディといった面々が辞退を表明)。
だからこそあれだけインサイドが弱い布陣になってしまったんだけど…。
全員スコアラーや派手なスターたちで固める必要なんか全然ないけれど、確実に働いてくれるビッグマンは絶対に要るのに。
余談ながら「出たい」と言っているのに選から漏れたアレン・アイヴァーソンを外したのはどこの大馬鹿者だ?

嗚呼! こんなことなら札幌の予選の時にアメリカvs中国を観に行っていればよかった(でもヤオ・ミンの怪我は不安材料だな)! なんて後悔に僕が襲われないように頑張ってもらうしかない。
まあ仮に今回USAが観られなくても決勝なんだから世界最高峰レヴェルのバスケットボールを観ることはできるので充分有意義ではあるけれど。
それよりも、決勝の前に行われる7-8位決定戦の方にアメリカが出ていたらある意味もっと面白いな…。


♪ やつらの足音のバラード - ちのはじめ


コメント

今月発売の雑誌に書いてあって、しかもオレとしては思いっきり納得してしまった選手選考理由に「世界選手権のメインスポンサーがナイキ」というのがありました。
言われてみれば、辞退を表明したTop Player達のほとんどがナイキ以外のメーカーと契約してるんですよね。そしてアイヴァーソンの選考漏れ・・・。
シャックはともかく、KGやダンカンが辞退を表明したのも、コレを聞いて思わず納得。

もはや「アメリカ代表」すら、スポンサーの意向で選ばれてるのかと思うと、なんとも悲しい気がしてしまいます・・・

なるほど、そういった要因が影響していても確かに不思議ではないですね…。
でも本当にそうだとしたら、シンジさんと同じく、哀しい…。

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