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2006年10月19日(木)

気狂い

ここのところ、新しいテレビを購入するに当たって、それ用のテレビ台もずっと探していた、というのは既報通り。
インテリアショップを回ったり、インターネットで適当な品を探しあぐねていたりとしていたわけだが、ネットを見ていながら感じたのが、「インテリアショップ(ブランド)のウェブサイトはなんて見難いんだ!」という憤りにも似た苛立ち。
えてして何かにつけてオシャレであると言われている、もしくはオシャレであろうと努めている、あるいはオシャレでなければいけないという強迫観念に追い立てられがちなこれらの業界が犯しがちな典型的失策だと思うのだが、あまりにも「体裁」のみにこだわりすぎるために、実際にウェブサイトを閲覧する利用者のアクセシビリティだとかインターフェイスだとかいったものは完全に無視されている。
つまり、文字は小さく特殊フォントは読み難い、やたら無駄なフラッシュ動画やスクリプトが多い、だから重たい、それでいて本当に知りたい情報が載っていない。
端的に言うと、極めて反合理的。
非合理的ではなく、反。
イスラム原理主義者にはお叱りを受けるだろうが、これは最早失策ではなく確信犯なのかもしれない。

「芸術」と「創作」を取り違えてしまうことは犯罪的である。
「クリエイター」、という言葉を使うと、それをあたかも「芸術作品を産み出す人」、と理解してしまうような風潮が世の中には弱くないと感じるのだが、僕の考えはそうではない。
「クリエイター」=、文字通り「作り出す者」。
createという言葉が本来持つ意味は、「作る」「創る」、という行為であって、そこには有形無形の何かを産み出すという意はあっても、決して「芸術」が介入する余地は与えていないように僕は思う。
じゃあ「芸術する者」は何と言うのかと問われれば、それに当たるカタカナ英単語は「アーティスト」に他ならない。

だからといって、「芸術」などという言葉のはっきりした定義などというものはもちろんこの世のどこにも存在してはいないから、誰がアーティストで誰がクリエイターかなんてのを決める基準は人の脳ミソの数だけある。
ちなみに僕はSNSのセルフプロフィールにある職業欄の選択肢を「クリエイター」としているが、そこには「芸術的な何かを創造する者」などという傲岸な意図は微塵もない。
僕はテレビ番組を制作しているが、民放が制作するテレビ番組は「芸術作品」「アート」ではなく、「商品」であるから。
アーティスティックな振る舞いなどは何もしていないが、番組という商品を作っているから「クリエイター」、という話。

ここで話を本筋に戻すと、インテリアショップ(ブランド)のオフィシャルウェブサイトというものにおいては、利便性や合理性よりも芸術性を優先させるなんてことは、断じてあるべきではない、こっちは趣味のページを趣味で見てるんじゃないんだから(私見です)。
商売目的でなく、顧客に対するサーヴィスなんてものも概念にはなく、ただ単に自分の感性の欲するままに製作して公開しているウェブサイトであれば、芸術性が優先しようが何が優先しようがそんなものは勝手にしたらよろしい(私見です)。
マジョリティであろうがマイノリティであろうが、民衆の人格や感性に訴えかけて、「対価を得ることを前提に」モノを創り出したとするならば、そのモノがテレビ台であってもイスであってもはたまたそれらを喧伝するウェブサイトであっても、それは絶対に「芸術」なんかではない、と僕の狭小なスタンダードラインは制定しているから、すなわちどれだけトレンドリーダーとしての自負があろうがなかろうが、インテリアショップ(ブランド)の商用ウェブサイトはまず始めにアクセシビリティを優先する以外に道はない(私見です)。
「他者の感性」を意識し、採り入れてしまった瞬間に悉く「芸術」は汚染され、霧消する(私見です)。

結局何が言いたかったのかというと、「クソ寒い冬にコート着てマフラー巻いてまでオープンカフェのテラスで茶飲んでんじゃねえよ!」ってことです。

思わず激して話が逸脱してしまったが、まあウェブサイトが見難かろうが、肝心のブツは良いんだけどね。


♪ Keep A Knockin' - The Crickets


コメント

僕としては英単語「CREATE」は創造するという意味で用いるべきと思っているので
クリエイターとは、”今まで存在していなかったものを創り出す人、生み出す人”と考える。

つまり、人の真似してばかり居る自称アーティストはクリエイターだとは思わない。
欧米の超有名曲のフレーズをそのまま使い、自分の楽曲として出す某ELTのメンバーはミュージシャンの風上にも置けんね。

確かにcreateには、「創造」という意味合いは強く感じられる気がしますね。
おっしゃる通り、「芸術」に非ずとも「創造」である以上、「模倣」であってはなりません。
J-Popとか聴いてると多いですよね、コピーでもサンプリングでもない、パクリ。
人間椅子のBlack Sabbathリスペクトは気持ちよくすら感じますが…。

「クソ寒い冬にコート着てマフラー巻いてまでオープンカフェのテラスで茶飲んでんじゃねえよ!」には至極同感で御座います。

でも、寒風吹きすさぶおでん屋の屋台はいいもんだ(笑)

まあ飲むものが茶じゃなくて酒だからきっとそんなことは関係ないんでしょうな! あなたの場合(笑)。

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