« 聞こえんかった | メイン | 11月走り納め »

2015年11月29日(日)

熊本・宮崎旅行記

休暇を取り、従前より見てみたかった高千穂峡への訪問をメインに据えて、熊本・宮崎旅行に行ってきた。


2015年11月24日(火)

10:40伊丹発のJALで熊本空港へ。
3連休の直後だからガラガラかと思いきや、E170は満席で、空港自体も結構混んでいた。
少し早めに行っといて安心したぐらいだ。

旅の1食目、馬肉丼とうどんのセット

正午前、熊本空港に降り立ち、空港内の店で早速馬肉丼など喰ってから、手配していたレンタカーを借りていざ東へ、一路高千穂峡を目指す。
レンタカーの窓口も非常に混み合っていた、それもトヨタばっかり!
これからはもっとマイナーな会社にしよう。

到着早々、絶景に息を呑む名高い真名井の滝も見える

1時間半近く走り、14時半頃、高千穂峡に到着した。
峡谷の上を走る遊歩道からの眺めに早感嘆してしまう絶景だ、これは。
自然の造形たるや、すさまじい。
真名井の滝の上に差し掛かり、紙面や画面でしばしば目にする景色に触れた時も、また感嘆の声が上がる。
手漕ぎボートにも乗り、水面からも真名井の滝を堪能した。
ちなみに連休中はボートに乗るのに、最大3時間の待ちが生じたとか!
恐るべし。

ボートに乗って水面から真名井の滝を望む

高千穂神社、そして岩戸神社にも足を運んだ。
そこかしこに神楽にまつわる展示物などもあり、この地が記紀神話の里であるということが自ずと伝わってくる。
天安河原まで歩いてみたが、なるほど、ここで神々が顔を寄せ合って相談事をしていたとしてもまったく不思議ではなかろう、と思わされる奇景であった。

岩戸神社の入り口付近にあった像天安河原

既に陽も半ば暮れ、宿泊先のホテルグリーンピア阿蘇を目指して、西へと戻る。
ちょうど1時間ほどの道のりだった。

馬刺や黒毛和牛の溶岩焼、だご汁などといった郷土料理を中心とした会席とブッフェの混合メニューとなっている夕食をたらふく頂き、気持ちのいい露天風呂を含めて温度の異なる3つの浴槽を持った温泉にゆったり浸かってヌルヌルになった。

馬刺自家農場で飼育しているという黒毛和牛郷土料理のだご汁 店によってヴァリエーションは色々


2015年11月25日(水)

7時半過ぎ、朝食ブッフェを済ませ、この日はまず阿蘇界隈に遊ぶことにする。
あいにく天気は、今にも雨が降り出しそうな重い曇天。
まあ仕方あるまい。

南登山道を上り、草千里を目指す。
道中、ものすごい霧に包まれて、ほとんど視界が利かない。
これは恐ろしい。
そして後で知ったが、まったく何も考えずに能天気に車を走らせていたこの南登山道、中岳の噴火警戒レヴェルがまさにこの前日に3から2に引き下げられ、通行止めが解かれた直後だったらしい。

道中はこんな感じでほぼ視界が利かない阿蘇草千里乗馬クラブにやってきた

草千里に到着してもずっと雲の中にいるような状態は継続したまま。
これはこれで楽しむしかない。
早速乗馬体験をした。
かれこれ20数年前、大学生だった当時に悪友たちと訪れた思い出の草千里、青空が広がり、火口も覗くことができたあの当時とはまったく状況が異なるが、この景色の中、ポクポクと巨大な馬に揺られるのもまた乙かな。
私の乗ったあいちゃん号はここにいる馬の中で最も大きく、体重は900㎏ほどあるとか。
ざっとサラブレッドの倍、脚もとても太かった。
たまたま私の時に牽いてくれていたのがこの乗馬クラブの3代目で、いろいろと話を聞かせてくれたのだが、今朝来られた方は50年以上前にもここで馬に乗ったことがあり、その時の写真を持参されて同じポジションで撮影をされたそうな。
私もまた30年後に来なければ...。

この景色の中の乗馬もまた乙なものだあいちゃんは大きかった

阿蘇山ロープウェー駅までの道もまさに通行再開されたばかりということで、上まで行ってみる。
この辺りも非常に懐かしい風景だ。
ショップ等はこの昼から営業を再開するらしく、スタッフたちが慌ただしく準備をしており、各メディアの取材クルーも多数いた。

この日から営業を再開するところ

我々も午後にもう一度ここを訪れることにして、一旦山を下り、阿蘇山の北側にあるひめ路という店で昼食を摂る。
私は赤牛重、妻は高菜飯とだご汁がセットになったひめ路定食を食べた。

赤牛重とご汁のセット

途中フラフラと寄り道をしつつ、食後、再び阿蘇山上広場に戻って、営業再開直後の阿蘇スーパーリングなるアトラクションを観てみた。
ジオラマにプロジェクションマッピングを施し、マルチスクリーンと連動したエンターテインメントプログラム、とのことだが、うーん...。
何事も経験。

山上広場から中岳方面を望む

南阿蘇村方面へ車を向け、阿蘇白水郷美術館という私設のギャラリーに併設されたカフェで一休み。
ちょうど居合わせた農園経営者の夫妻が持ってこられたという初物のイチゴをご相伴に与った。

白川水源

その後、帰り道に位置する白川水源に立ち寄る。
この辺りは水源がいくつかあるようで、中でもここが一番メジャーなのかな。
確かに行ってみると、見た目にはとてつもなくきれいな水が湧き出ている。
さすがに清水の川だけあり、カワセミが鮮やかなグリーンの背中を見せながら水面近くをスイーッと滑空する姿も見られた。
店にいた地元の人と話したところ、その方は30年ここにいるけどカワセミは見たことがないという。
ツイていたようだ。
水源の水を使ったというコーヒーも美味かった。
正直このスポットにはそれほど期待はしていなかったけど、結構楽しめた。

澄みきった湧き水カワセミ

宿に戻り夕食。
この晩は黒毛和牛のすき焼きがメインで、秋らしく釜飯も。
じっくり味わいところだが、1時間足らずで急ぎ平らげて、再び車に乗り込んで、既に真っ暗となった山道を高千穂目指し、ひた走る。
20時から高千穂神社で行われる高千穂神楽を見物するのだ。
実は昨晩、黒口という集落で本物の神事である夜神楽が行われていたらしいのだが、興味本位で覗くには敷居が高かったのでそちらは遠慮し、観光客向けにダイジェスト化されたこちらを観ることにした。

黒毛和牛のすき焼き釜飯

開演の10分ほど前に無事会場に到着し、神楽殿に入ってみると優に100人は超えると思われる客がもうぎっしり。
平日だからスカスカかと思ったら、侮ってはならん。
中央後方に何とか観易いポジションを確保した。

おそらく保存会の中心人物ではないかと思うが、最初の挨拶や説明などをされる人のMCがなかなか絶妙で、よく笑いをとっていた。
演じられる神楽は代表的かつたぶん動きが派手ななものが4番、上演時間は解説含めて1時間ジャストなので、ヴォリューム的にもちょうどいい。
本物の方は33番あり、夕方から翌日の昼まで続くというから...。
鈿女の舞というやつは、先月に西宮神社で、高知県梼原町の津野山神楽のものを観たばかりだが、またそれとは舞の方もリズムも節もまったく違っていた。
最後の御神体の舞では、客席への乱入もあり、楽しいイヴェントだった。

鈿女の舞ついに天岩戸が開いた

再び1時間掛けて暗黒の山道を戻り、温泉に入って休む。
ちなみにこの2日間、路上で見かけた野生動物はサルとウサギのみ。
意外と出遭わない。


2015年11月26日(木)

朝食を摂り、9時過ぎにチェックアウト、空港へ向かう前に少しだけ南の方に回り道をして、阿蘇ミルク牧場というところに行ってみた。
今日はとても寒い。
10時のオープンと同時に一番乗りで入場したが、閑散としている。
動物と少しだけ触れ合い、ホットミルクで体を温めて、1時間足らずで後にした。
帰る頃にはちょっと客が増えていた。

阿蘇ミルク牧場人懐こいロバ

レンタカーを返し、定刻から20分遅れた伊丹行きの便に乗り込んで離陸を果たしたが、ここから悪夢が始まった。
フラップ板の故障を示すアラートが出ていて、熊本空港へ引き返すというアナウンス。
既に30分ほど飛んだ後だし、「飛行に影響はありませんのでご安心ください」と自信満々で断言するならば、このまま大阪に向かった方が早いんちゃう、その方が皆幸せなんちゃう、と思いながら、それを言っても詮ないと一同分かっているため、機内には重い空気が充満するのみ...。

結局、大阪にもう着陸しているであろう時刻に再び熊本空港に戻り、機から降ろされて振替の手続き。
16時10分のANA便にギリギリ滑り込むことができたようだ。
それにしても規定とはいえ利用客の立場に配慮している対応とは感じられず、また言葉足らずの説明に代表される一連の接客、JALさん頼むよ。

予定より4時間遅れて、ようやく自宅に帰着したのであった。


旅行中から、鼻水過剰分泌を中心とするアレルギー症状が酷くなっているのを感じていたのだが、帰ってきて数日経ってもそのままの状態が続いている。
やっぱり山間部・農村部に入ると色々吸い込む量が増えるのかな?


♪ Black Friday - Steely Dan


コメントする